気付きにくい人種差別
テレビを観ていて気付くことはないでしょうか?
テレビの中で堂々と、わかりにくいのですが人種差別と言えば言えなくもないような差別的なシーンが毎日のように繰り返されているのです。
法に触れるようなことではないし気にするほどの大きなことではないのかもしれませんが、どうしてこうなるの? と、僕はツッコミを入れたくなるのです。
番組の中で海外にいるインタビュアーが、現地で旅行をしている色々な国の人々にマイクを向けていました。
「こちらには何をしに来たのですか?」
「旅行の中で一番面白かったのは何ですか?」
そんなよくある質問を英語で聞いています。
会話はすべて日本語で吹き替えられていて、よく聞いていると英語で話している声も聞こえますが、主に聞こえるのは声優さんの吹き替えです。
「食事がとても美味しくて、お店のかたもとても親切にしてくださるので
とっても嬉しいんです。是非また来たいと思います。」
と白人女性がニコニコと話しています。
もちろん、日本語の吹き替えなのでその本人はこういう意味合いのことを英
語で言っています。
インタビュアーはアジア人男性を見つけ、その人にもマイクを向けます。
「食事はどれもうまいよ、最高だね。現地の人がみんな親切で嬉しいね。
次もまた来ようかなって思ってるんだ。」
こんな感じに吹き替えられています。
ご存知の通り、英語には敬語なんてありません。
白人女性もアジア人男性も一般的な普通の英語を話しているのに、どうしてアジア人男性だとこういう吹き替えになるのか不思議です。
スポーツニュースを観ていても同じようなことは全然珍しくありません。
傾向としては、
ボクシングやバスケットボールのような激しいスポーツで、黒人選手がしゃべると、
「〇〇(選手の名前)は凄い選手だね。あんなプレイする選手は他じゃ見た
ことないよ。」
でも白人選手が同じことを言うと
「〇〇は素晴らしいプレイヤーですね。あんなプレイができるなんて信じられません。」
こんなふうに普通に敬語も使われます。
でも、繰り返しますが英語には敬語という概念は皆無といって良いくらいに存在しません。
それが何故、こんな違った吹き替えになるんでしょうか?
話し手の雰囲気や仕草、態度などを見てそれに合わせた感じの日本語で吹き替えているのだろうとは思います。
でも、見る限りチンピラや素行の悪い不良少年でもありませんし普通にしゃべっているだけなので、視聴者が観た時に、
「この人は荒っぽい人だ」
とか、
「敬語を使っていないから社会的にレベルの低い人だ」
という印象を持たせてしまったらそれはダメでしょ?
と思います。
場合によっては人種差別だと思われてもおかしくないんじゃないかな。
He is really great. (彼は本当に凄い)
He is Incredibly strong. (彼は信じられないくらい強い)
映画俳優やスポーツ選手、芸術家、歌手など、凄い功績や成績、良いプレイをする人をこんな風に称賛することがあります。
これを日本語に吹き替えられた時に、
「奴はマジ凄いぜ。」 と言うのか
「彼は本当に凄い人です。」 と言うのか
「奴は超強いんだよ。」 と言うのか
「彼は信じられないほど強いんです。」 と言うのか
テレビを観る人が、これらのどの表現で吹き替えをされても、まったく同じ印象でその人を受け止めるでしょうか。
敬語でない吹き替えだったら、人間的にガサツだったり程度が低いとか横柄だとか、そういう間違った印象を与えてしまわないでしょうか?
もしそうだとしたら、もう吹き替えはやめた方がいいと思います。
少なくとも、英語の会話の中では誰一人敬語なんて使ってないわけですし、
黒人も白人もアジア人も、男も女も、皆が同じように英語を話しているんです。
皆さんはどう思いますか?