【ライディング】どこを見る?
ツーリングに行くと、ソロで走っても仲間数台で走っても、
市街地を走っても山間部を走っても、気を抜けば事故の可能性は
ゼロではありません。
この記事で特に考えたいなと思ったのは、ツーリングに行けば
どこかでほぼ必ず通るワインディングや峠のことです。
道路は常に真っすぐなわけではないので、コーナーで転倒しない、でも仲間のバイクに遅れずについて行くことのできるライディングをするために、
「どこを見るのか?」というテーマで記事を書こうと思います。
ラッキーなことに、僕は自損事故も転倒も経験したことがありません。
運転が上手だから・・・ではなく、僕は元来臆病者なので使えるものは全て使って気を付けながら乗っていたからなんだと思っています。
もしかしたら、自分が今までに気を付けていたことを初心者の人と共有したら、少しは参考になるかもしれないな と、そんなことを考えました。
もしかしたら、この記事を読んだ人は ギョっとするかもしれませんが、
それを恐れずに、正直に僕がいつも習慣として「何を見ているか」を
全て書こうと思います。
ライン取りを見る?
僕がコーナーの入り口で何を見るか?どこを見ているか? というところから入りましょう。
道路の幅やコーナーがどのくらいきついか、ブラインドなのかブラインドではないのか、対向車があるかないか、カーブミラーはあるかないか、
道路に砂利や泥などは落ちていないか、その他諸々のいろんな条件が
コーナーの度に変化するので、一概に 「○○を見ている」とは言えません。
ですが、僕はどんなコーナーでも必ず「ライン」を見ています。
もちろん、道路のどこにも自分が取るべきラインなんて書かれていませんから、自分の頭の中で仮想のラインを道路上に描き、そのライン上をなぞるように走るという作業を繰り返しているわけです。
・道幅やコーナーの曲がり具合(深さ)
・コーナーの先が見えるか見えないか
・対向車はあるかないか、カーブミラーがあればカーブミラー
・走行車線の左端に砂や小石などがどのように落ちているか
概ねこんなようなことを見てから自分が走るべき走行ラインを道路の上に描くわけです。
下の写真の例で言えば、
対向車がなければ黄色い線に沿って走りたいと考えます。
ところが、対向車が見えましたので、やや左側(外側)にラインを取ります。
対向車とはあまり近い距離ですれ違いたくありませんし、もしも対向車がセンターラインを割ってこちら側に出て来ても接触などしないようにしようと思うと左端に寄って走りたいと思います。
しかし、左端にはガードレールもあり、それに路側帯から30センチくらいの幅で路面の色が少し違っています。
これは砂が浮いている可能性があるので、この上を走れば滑って転倒の危険が大きくなるかもしれない。
そんなことから左端を走ることはしないという判断をしました。
その結果が下の写真の黄色いラインと白いラインです。
前走者と同じラインか?違うラインか?
仲間数台とツーリングに行くと、自分が先頭の時には1台後ろのバイクが通りたいラインを考えながら自分のラインを見ます。
ところが、前に1台でもいる場合にはそのバイクが走るラインをトレースする場合とトレースしない場合があります。
トレースする場合でもトレースしなても、ラインは見ます。
明確に「こういう場合はトレースする」とか「こんな時はトレースしない」とは言えません。
道路の状況やスピード、道幅、混雑状況、いろんな要因で都度状況が変わると、それに合わせて走るので一概には言えないのです。
ですが、敢えて大きなくくりで傾向を言うなら、
前走者が自分とほぼ同じ技量、同じスピード、同じような経験値の人だと
自然とトレースすることになります。
しかし、
前走者が自分とは技量が違う、スピードが違う、経験値も違うとなると、
自分のラインを描いてそのライン取りで走ります。
何故そうなるかというと、前走者が自分と同等レベルの人だと、どういうわけかライン取りもかなり近いというか、自分と同じライン取りをするので、
違うライン取りにならないんです。
ところが、数台のマスツーリングでちどりを組んで走る時にはペースもそれなりになりますし、ライン取りよりも隊列を重視する場合があります。
この場合は自分のラインどりは殆ど考えません。
ですからライン取りを見るよりも前後の車間、左右の位置を見ながら走ることになります。
ちなみに、初心者の人がベテランの人とツ―リングをする時には、ベテランライダーの後ろを走って、どんな時にどんなライン取りをするのかを観察しながら走ると勉強になると思います。
機会があったら是非やってみて欲しいと思います。
コーナー入り口でどこを見る?
前の項でライン取りをするために何を見ていたかを書きましたので、重複してしまいますが、コーナーに入る前に
・コーナーの深さやきつさを見ます
・カーブミラーがある場合は必ず見ます(たとえ一瞬でも良いので見ます)
・コーナーの左端の状態(砂、土、落ち葉や枯れ枝の落ち具合など)
・路面の状態(避けるべき凸凹がどこにあるか)
・対向車がいるかどうか、そのスピードはどうか
これら5つのことを見てライン取りをするのですが、逆に言うと、これらを見ておかないとライン取りができないんです。
前の項で写真を貼ってありますが、これは撮影した動画から切り抜いて貼ったものなので、素の動画を見ると時間がわかります。
①の写真のほんの僅か手前の時点から、③の写真までにかかった時間は
約3秒です。
しかし、この5つのことを見る時間は恐らく1秒と使ってはいませんので、
多分0.5秒とか0.6秒とか、その時間で5つすべてを見て、且つ走行ラインを頭の中で描いています。
僕は他の記事の中でも自分のことを「臆病」と言っていますが、
臆病だからこそ、これらのことをしないと不安なんですよね。
度胸のある人なら、何も考えずに度胸一つでコーナーに入り、度胸一つでアクセルを開けてコーナーを駆け抜けていくのかもしれません。
そう考えると、僕はやり過ぎなのかもしれませんが、これが僕のライディングなので、しょうがないかなと思っています。
コーナーリングの最中にどこを見る?
コーナーリングしている最中には、ただラインをトレースしているだけなので何も見ることも考えることもないのかな?
と思いたくなりますが、僕はそうではありません。
下の写真はかなりきつく周り込んでいるコーナーを走っている瞬間を、
走行中に撮影した動画から切り抜いたものです。
2枚の写真を貼ってあり、間違い探しのようですがこの瞬間に僕が何を見ていたかお話ししたいと思います。
①の写真では、
道路のセンターライン付近にひび割れやデコボコがあることに気付いています。
同時に、ガードレール付近に赤っぽく色の違う路面があり、パッと見た感じでは落葉が沢山あるようにも見えますので、あまり左端には寄らないように気を付けます。
また、カーブミラーがあることがわかりますが、写真が小さくてわかりにくいですけど、コーナーの先がはっきり写っていて、対向車がないこともわかります。
①の写真の段階で、対向車がないことがわかっていたので、本当はセンターラインすれすれのところを走りたいのですが、路面が荒れていることもわかっていたので、センターラインからは少し距離をとってやや左側を走っています。
もちろん、バイクが傾いている最中に路面の凸凹の上を走ること避けるためです。
この写真からはわかりにくいですが、僕のカメラはヘルメットの左側に取り付けてあるせいか、なんとなくカーブミラーの右側にある矢印の看板の方を向いているように思えます。
しかし、実際には目玉を右側いっぱいに向けて出口の方を見ています。
この写真の直前まで路面の状況やカーブミラーを見ていたので、顔を急にコーナー出口の方へ振るのではなく、目玉だけ動かしてコーナーの奥を見ようとしていたということです。
まだバイクが傾いている状態で、コーナー出口の路面の状況を見ながら、他に何があるかわからないので出口付近のライン取りも含めて注視していました。
コーナー出口でどこを見る?
上の写真の時にコーナー出口を見てあったので、出口までくると次のコーナーの入り口を見ます。
したの写真ではバイク周辺(コーナー出口周辺)はほぼ見ていませんが、
路面のひび割れ部分を避けて走行することもできています。
この状態で顔も目も次のコーナーの方へ向けて走行ラインを描くための準備に入っています。
信号待ちで何を見るか?
さて、下の写真も動画から切り抜いた写真です。
なんてことのないただの信号待ちの瞬間ですが、この時に僕が何を考え、何を見ているか?
・トラックの右後ろで、トラックのドアミラー越にトラックの運転手の
顔が見える位置に停車。
真後ろに停車することはありません。
・トラックの運転手には僕の存在に気付いてもらうという目的もあります
が、こちらにしても、運転手が僕の存在に気付いているかどうかを見るこ
とができます。
・前にトラックがいると、その前の様子や交通の状況はほぼ見えません。
なので、この位置から前方や交差点の様子を見ます。
同時に、自分の後ろにどんな車がいるのかも必ず見ます。
ワインディングや峠と違って、街中では交通量もあるし、車との距離も近くなるので、見る場所は道路よりも周囲の車の様子の割合が多くなります。
どうでしょうか?
少しでも参考になりましたか?
それとも、こんな面倒臭いことできないやって感じですか?
僕は変態なのかもしれません、、、いや、変態です(笑)