【roku youメンバー紹介】それぞれの成長をともに喜べる場をつくっていく(古屋七美)
roku youはひとりひとりのメンバーがラーニングクリエイターとして、学校とともにSELを実践しています。そこで、noteにて不定期でメンバー紹介を行なっていきます。それぞれのメンバーの教育に込めた思いやroku youでの活動をお届けします。
【interview】それぞれの成長をともに喜べる場をつくっていく
「私、roku youで一緒にやっていきたいです」
自分のそんな言葉に、正直一番驚いたのは私自身でした。それまでの私は、積極的に何かに対して手を挙げるようなタイプではなかったんです。「なんでもいいかな」と思うことが多かった自分が、「やりたいです」と言っているーー。「あ、私、楽しいんだ」って思いました(笑)。
(roku youの代表・下向)依梨さんと出会ったのは、私が通っていた大学の教育寮の立ち上げプロジェクトでした。国籍やバックグラウンドの異なる多様な人とどう暮らして、どう学び合い、どう協働するか。プロジェクトメンバーのひとりとして、みんながより良く暮らしていくための土壌づくりや意思決定の方法を体感しながら、「こんな場のつくり方があるのだ!」とワクワクしました。
それまでの私は、日常生活の中で何かを決める際に、声の大きい人の意見が通ったり、立場が上の人の声で決まっていったりするシーンを何度となく目の当たりにしていました。そこに疑問を抱くこともなく、むしろそれは仕方がないことだとすら、私は思っていたんです。
しかし、依梨さんが進めるプロジェクトは、誰ひとり取り残さないような場になっていました。心理的安全性が徹底されていて、誰か一人が進めていくのではなく、みんなが心の内を明かしていく。大学時代もワークショップでの場づくりなどは学んでいましたが、社会に出てからもこうした対話を築いていけることを知り、「私もその一員になりたい」と思うようになっていきました。
■ひとりひとりに徹底的に関わり続ける
roku youではレジデンシャル・カレッジの開校・運営に携わり、現在は沖縄の高校の探究活動や大学向けのSELをベースとした授業作りなどに関わっています。
私は生徒や学生のグループの中に入って、ひとりひとりと対話をしていく時間をとても大切にしています。全体の進行をしているとなかなか難しいこともありますが、発言したくてもできなかったり授業に乗り切れなかったりする子との対話を大事にしたいのです。できる子はできるけれど、できない子は置いていかれるような状態はつくりたくありません。
どんな学校にも、多かれ少なかれ「どうせ自分なんて」「自分はできない」とネガティブな感情を抱えている子がいます。こうした子たちはこれまでの学校生活でも、自信を持つ機会がなかったり置いていかれたりしてしまった経験を持っています。私は彼らにこれ以上、肯定感を損なう体験を積み重ねてほしくはありません。
たとえ目の前の授業についてこられなかったとしても、たまたまそのやり方が合わなかっただけ。さまざまなアプローチで試していけばよいのです。そうすれば、どこかで必ず成長できる。私はそんな可能性を信じています。
子どもたちへの信頼は、自分自身の経験に裏打ちされています。私も大学生になってようやく自由に挑戦できるようになりました。そして、「こちらは苦手だけれど、これはできる」と自分の得意な分野に目を向けることもできるようになったんです。それまでは、みんなと同じことができなくて悔しい思いをしたり、人知れず悲しんだりしていました。
成長の背景には、私に丁寧に関わり、正当な評価をしてくれる人との出会いがありました。だからこそ、私も生徒や学生たちにとって、そういう存在になっていきたいと考えています。
■成長は一元的なものではない
これからは、より成長を喜び合える場をつくっていきたいと思っています。誰かにとっては問題なく達成できることであっても、他の子にとってはハードルの高い挑戦の場合もありうる。結果ではなく、挑戦しようと一歩踏み出そうとした時点で、すでに成長はしているんです。
私は、こうした人それぞれの成長を一緒に喜べるような場をつくっていきたいと考えています。本来、人の成長とは一元的ではないはずです。一律に評価されるような仕組みでなければ、もっとみんな自由に伸びていくことができます。
これからroku youで、誰もが幸せになれるような体験をどんどん作っていけるよう邁進していきたいと考えています。
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