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【発達障害短編小説】異能の輝き〜第14章 次なる作戦〜

第14章 次なる作戦

 数時間が過ぎ、嶋田の隠れ家にて葵たちは休息を取りながら、今後の作戦を話し合っていた。

 「追跡者たちは、俺たちがここにいることに気
 づくのも時間の問題だ」

 嶋田が切り出した。

 「彼らの動きを抑えるためには、こちらから一
 手打つ必要がある。奴らの基地を叩くんだ」

 「基地を叩く…? 本当にそんなことができるの
 か?」大和が不安げに尋ねる。

 「できる。政府の超覚醒者追跡部隊の本部は、
 市街地の外れにある。そこには彼らの指揮官が
 いて、全ての作戦をコントロールしている。指
 揮官を倒せば、少なくとも一時的には奴らの動
 きを止めることができるだろう」

 真奈美は眉をひそめた。

 「でも、そこは厳重に警備されているはずよ。
 それに私たちだけで突入するのは無謀すぎる」

 嶋田は少し微笑みながら

 「だから俺がいる」

と言った。

 「俺の『消去』能力で、基地内部に潜入する手は
 ある。相手の監視装置や防衛システムを一時的
 に消し去ることで、侵入できる隙を作ることが
 できる」

 「でも…そんな危険な賭けに出るのは、本当に
 必要なの?」

 葵が不安そうに言った。

 嶋田は静かに頷いた。

 「俺たちはいつまでも逃げ続けることはできな
 い。立ち向かうしかないんだ。そして、彼らが
 次に動けば、俺たち全員が一網打尽にされるか
 もしれない」

 「それは…確かにそうかもしれない」葵は真奈美
 の方を見た。

 真奈美は少し考えた後、決意を固めたように口を開いた。

 「わかった。私たちも協力するわ。今ここで立
 ち上がらないと、私たちは永遠に追われ続け
 る」

 大和も静かに頷いた。「やるしかないな」

次回、「第15章 潜入」

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