クソゲーオブザイヤーが終わってしまったので選評を書いていたころの思い出語り
皆さんはクソゲーオブザイヤー(以下KOTY)というものをご存じでしょうか。
昔の2ちゃんねる、今は5ちゃんねるで行われているゲームファンの間では裏の祭りとして有名なもので、その内容はその名の通り、今年一年のなかで一番のクソゲーを決めるというものです。
そんなKOTYが、2022年は大賞なしとなり、さらに2023年は活動休止となることが決まりました。
ちょっと残念な気持ちもありつつ、そのうちそうなるだろうなと思っていたのもあるので、意外と持ったなという気持ちもありつつ な気分です。
というのも、私は過去にKOTYの携帯ゲーム板にて選評を書いていたことがあります。
私が参加していたのは2010年の12月から~2012年の3月頃まで。常に動きを見ていた・・わけではないですが、ここで話題に上がったゲームを遊び、レビューや選評を書いていました。
参加していた頃は楽しかったです。
「選評を書く」というのもいい経験でしたし、私がこうやって文章を書くきっかけになったかなと思います。
また、私なりのクソゲーの楽しみ方を見つけられたのもよかったと思います。
ですがとあることがきっかけで選評を書く気も失せて、次第に見るのをやめてしまいました。
そのきっかけとは簡単に言いますと
私が求めていたところではなかった
からです。
この記事では私の思い出整理もかねて、参加した経緯、そしてどんなゲームを遊んだか、そしてやめるきっかけになった出来事を書いていきます。
総評動画をみてKOTYを知る
私がKOTYというものがあることを知ったのは、いわゆる総評動画でした。
KOTYでは一年の締めとして、今年一年の大賞および次点となったクソゲーの内容をまとめた「総評」が有志によって製作されます。それを動画で紹介する内容が総評動画です。
さてこういった総評動画を見て、このKOTYに参加している人たちはどのような人たちだろうと思うでしょうか。
自らクソゲーに手を伸ばし、それがいかに酷いのかを語り合う奇特な集団
恐らく大多数の人がこう思うのではないでしょうか。当時見た私もこう思いました。そしてそんな集団に加わりたいと思いました。
というのも、その時点でも結構なゲーム好きであった私。社会人になってからもそれは変わらず、いろんなゲームを買って遊んでいました。
ですが酷いゲームに当たったことはこれまでありませんでした。それだけに総評動画で知ったゲームの内容は衝撃で、「世の中にはこんなにも酷いゲームがあるのか!」ととても驚きました。
当時の私はどんなものでも幅広い知識を得たいと思っていたのもあり、酷いゲームを知るためにKOTYに参加することにしました。
さてこの時点ですでにKOTYはいくつか種類がありました。
ここはやはり本家本元の家庭用の据え置き型ゲーム機(当時ならWii、PS3)
からでたゲームを取り扱うKOTYに参加しよう・・と思ったのですが、
そのころのKOTYは先程の総評動画のせいか、いわゆる「お客さん」が多く、ただでさえ荒れやすいスレが荒れぎみでした。
そこで分家である携帯型ゲーム機(PSP、DSなど)の携帯KOTYの方を見ることにしました。こちらのほうが荒れも少なくまともにクソゲーについて語り合える場だと思ったからです。
当時の私は一人暮らしをしておらず、自分の部屋にテレビもなかったのでKOTYで扱うようなゲームを居間でやるのはハードルが高いのもあり、携帯型ゲームの方が参加しやすかったというのもあります。
そういうこともあって私はもっぱら本スレのほうは見ておらず、あちらで何かしらの活動をすることもありませんでした。
2010年 さっそく選評を書く
そんな経緯で携帯ゲームのKOTYを見始めた私。そのころはすでに12月。スレでは夏に発売された「ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123! 」(通称:覇王鬼帝)の選評もでて「今年の大賞は決まったな」という感じになっていました。
なお参加する以上やはりやってみないとなと思い、私も覇王鬼帝を買いました。そして「まともにブロック崩しをさせてくれないブロック崩し」を知り、「これがKOTYで話題になるようなクソゲーなのか!」と戦慄したのを覚えています。
3分あたりから見るとこのゲームの恐ろしさが少しは伝わると思います。
なお私はクリアできませんでした。矢印をそろえるステージが無理すぎる・・
そんな中ファミ通の新作レビューにて合計点数18点(3点をつけるレビュアーもいた)という低点数を出したゲームが話題になりました。
それは「どんだけスポーツ101」
公式サイトの内容を見る限りでもなかなか酷そうで(クソゲーとして)期待が持てそうだ。
そう判断した私は人柱もかねて発売日に購入し、遊んでみました。
その後スレに書き込んだのがこちら
書き込んでもいますが、とにかく盛り上がらないのでつまらない。遊んでいて「やったー!」って思えることがない。
一つ一つの種目にエンドレスで遊べるスコアアタックのような要素もなく、一つの種目を遊ぶ目的は次の種目を解放させるためだけの要素と化しており、遊ぶこと自体がただの作業となっている作りでした。
その後60種類ほどクリアしたところでつまらなさが限界に達し、気分転換に選評を書くことにしました。
選評を書くのにかかったのは3日程度。
こちらの選評1が私の選評です。
今見ると、もうちょっと書きようがあっただろう・・と思えて恥ずかしいですね。
当時文章を書くのがとにかく苦手だったのもありますが、酷いと思った部分を並べただけになっているので、もうちょっと酷いと思った部分を的確に絞って書くべきだったかなと、今見て思います。
そんな選評でしたが、事前にスレで話題になっていたこともあってかそこそこ盛り上がりました。
さらにその後全部クリアした方が現れましたが、私が書いた選評以外に書くことがなくとにかく薄いとのこと。わかる。
ですがこのゲーム、とにかく「薄い」だけが(クソゲーとしては)「売り」であり、それだけでは「覇王鬼帝」や、同日発売ですさまじいバグの嵐を持った「ブーペガールDS2」など2010年のラインナップでは勝てない・・
そんな意見もあり、自分でも思ったのでこんな書き込みをしていました。
ですがその後、「バグがなく純粋につまらないならば、純粋なクソゲーというものでは」などの擁護意見(?)がでたり、ほかの方の選評も届いたりなどがあり、結果としては大賞レベルではないものの無事(?)2010年の次点として加わることになりました。
ゲーム内容が気になる方はラー油さんのブログを見るとよいでしょう。全スポーツにレビューしています。お疲れ様です!
この年は「参加早々にこんな(酷い)ゲームに出会えるとは!」と思っていました。そしてこのゲームについて語る楽しさ。いくらひどいゲームでも同じゲームを遊んだ人と語り合うのは楽しいものです。
ですが、この時がKOTYに参加していて一番楽しい瞬間だったとは思いませんでした。
2011年 陰りを感じる
そして年が明けた2021年。去年が7本も大賞候補作が出たこともあり、3月まで2010年の総評がまとまらない事態に。
そして2011年といえば東日本大震災。私もその後のごたごたでろくにスレが見れませんでした。そんな中でもスレは進んでいたようです。
ようやく私の仕事が落ち着いたのが9月ごろ。話題になるゲームも出ず日照りが続いていたようですが、またしてもファミ通レビューから一報が。4・5・4・5点の計18点をたたき出した釣りゲーが出たとのこと。
それが「スーパーブラックバス 3Dファイト」です。
まだ公式サイトが生きていたのでぜひ見てほしいのですが、グラフィックの質が古臭いどころではないレベルで即座に話題になりました。
これはもうKOTY住人としては買わざるを得ません!
ということで発売日に購入。
そして遊んでみたものの・・
とまぁ、ろくに遊べていませんでした。
とにかく釣ることができずただただイライラが募る。
これは私だけなのか?ぜひ他の人の意見も聞きたい・・
と思い再度書き込み。
しかし私の後に続く方がなかなか現れませんでした。その後一人3DSと一緒に買ったという勇者が一人来ましたがそれだけ。
というのも、「店で売っていない」という報告が相次ぎ、店員さんに聞いたら「ファミ通レビューでアレだったので店としても仕入れていない」と言われたという声もありました。まぁ売れない商品仕入れて在庫抱えたくはないよね・・
結果としてその後続く人が現れず。
そんな中でも遊んでいましたが、ついに限界が来ました。
とにかく上手に釣ることができませんでした。
手持ちのルアーを全部売る→ルアーがなくなったということで無償でもらえる→また売る
というループができることを発見し、お金を貯めることはできたものの、そもそも釣れない。時々釣れるが条件がわからんという状態。
なのでまったく楽しめず。
でも進めている人もいるようだし、選評書くにしても書けるほど遊べていないためこれでは無理だ!となってしまいました。
しかしこんな報告をした後も雑談に興じる者ばかり。さらに3DSごと買った勇者様が無事クリアして報告が入るも盛り上がりが小さい。
あれ?KOTYってこんなところだったっけ?と、モヤモヤしつつも私はまた仕事が忙しくなりスレは見れなくなり、そのまま2011年は終わりました。
2012年 見切りをつける
2012年2月、ヨドバシのゲーム売り場に行くと、どうにも嫌な予感がするゲームを見つけてしまいました。
それがこちら「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」です。
そういえば映画やっていたなー と思って買ったこのゲーム、とにかく「雑」に出来てました。
まず場面転換が急すぎてストーリーが意味不明。何の脈絡もなく過去の話入れてきたりするもので、クリアしてもさっぱりわかりませんでした。
あまりにもわからないので映画のPVを見てみましたが、PVに大きく映っていたシーンはゲーム内で見た覚えがないため、さらに謎が深まるばかり。
そしてこのゲームは3Dなキャラを操作するアクションゲームなのですが、なぜか影がないため浮いているように見えることがしばしば。
さらにデバッグしてないの?ってくらいに細かなバグが沢山。遊べないほどではないものの、壁抜けが簡単に行える、即死の仕掛けが消えたのにポイントとしては残っている など一周遊んだだけでもボロボロ見つかりました。そして長いロード、タッチ操作面のゲームバランスが悪いなどなど、とにかく「雑」でした。
今でもそうなのですが、私は明らかな手抜きが見えるゲームってすごく嫌です。そんな個人的な思いもありましたが、まだ2012年は始まったばかり。選評を書いておくのも悪くないかと思い、書いて投稿しておきました。
やはり選評を書くとある程度反応はあるものです。
しかしある程度たっても後を追う人が現れません。あれ?
さらに他のゲームの選評が何本か来るものの、それにも続く人が出ない。あれれ??
さらにさらに書いた選評をwikiに追加する人すら来ません。んん???
なんかおかしいな?と思いつつ、しばらく様子を見ることに。
確かにいろんなクソゲーを見てきて目が肥えた人も多いはず。ですがこのKOTYは今年一年のなかで一番のクソゲーを決めるものです。それは暗黙の了解なはず。
確かに私が書いたこのゲームの内容はKOTYで盛り上がれるようなクソすぎたり、笑えるような要素はなく、他のゲームの総評も同じような感じでクソゲー要素として盛り上がれそうな要素は薄いです。それにしたって続く人が出ないのはおかしい・・
このタンタンのゲームも、店で売ってないという声を何度か見かけましたが、それにしたって続く人がいない・・
私が「なんでこんなに盛り上がりが小さいの?」とモヤモヤしている間もスレはぼんやりと進み、2月が終わり3月に入ってしまいました。このままでは忘れられそうだと思ったのもあり、仕方がなく自分でwiki更新しました。
そして同時期に上がったほかの方の総評は、誰も取り上げることがなかったため、そのままスレに埋もれて消えていきました。
なおこれは余談ですが、KOTYのWikiについて詳しいことを私は何一つ知りません。誰が管理しているのか?誰がWikiに記載しているのか?記事ができるタイミングはいつなのか?何もかも不明です。
KOTYはほぼWikiありきでしたので、そちらの更新ペースが下がったりするのも、KOTYのスレには影響あったのかもしれませんね。
話を戻しまして。
さて2012年の3月になったころ、スレではとあるゲームのPVが酷すぎて話題になりました。それはあの国民的アニメの一つ「ドラえもん」のゲーム、「ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー」です。
残念ながらPVは現在見れませんが、そのPVの様子を記したレスがあったので紹介します。
実際見ただけで「うわ・・」って思えるPVでした。私は小学生の頃スーパーファミコンのドラえもんのゲームが大好きでよく遊んでいたのもあり、「今のドラえもんのゲームってこんなレベルなのかよ!」とショックを受けたのを覚えています。
まぁそれはともかく。KOTYスレでも話題になり、さらにドラえもんのゲームということならば店が仕入れず品切れということもないでしょう。これなら後に続く人もいるだろう!と思い早速購入。
内容としては劣化版ポケモンスナップ。ポケモンスナップと違い、撮る対象に変化がないのでまったくもって面白くない。子供だましどころか子供だって間違いなく飽きる作りでした。
そしてミニゲームがいくつかあり、その中の一つ【虫ずもう】はストーリーにも関わりがあるミニゲームなのでちょっと期待していたのだが・・
まさかのじゃんけんでした。しかも出す手がわかるというゲーム性皆無すぎて頭を抱えるレベル。こんな状態なのに5000円という値段・・
しかし遊んでみるとストーリーは特別悪いものではありませんでした。むしろストーリーの最後は伏線に気が付かなかったのもありとてもびっくりしました。ゲームは非常につまらなく、ストレスがたまる作りでしたが。
そのあたりをスレに書き込み。
するとまぁ反応はつくのですが・・またしても同じように買ったという人が現れない。あんだけスレで話題になり、「誰か買ったか?」という書き込みが何度もあった。
なのに、
結局このゲームを買ったのは私だけなんだ・・
それに気が付いた瞬間、ふっと「あ、もういいや」となってしまいました。
私は「自分の書き込みでスレが盛り上がる」のを期待していたのではなく、ともに遊んだ人たちと「このゲームひっどいよな!」って言いあったり、「いや、俺はこう思うね!」ってのを期待していたのですが・・
KOTYはそういうところではなかった。
クソすぎて笑えるようなゲームの待つばかりの人だらけのスレだった
そのことに気が付くのに随分とかかってしまいました。
そうなった後はスレを見る機会ががっつり減り、たまーに見ても相変わらず自ら手を出そうとしない人たちばかりが雑談している状態。
いつしか全く見ることがなくなりました。
そんな感じで携帯KOTYスレから去ったため、本家KOTYのスレを見に行く気もありませんでした。
KOTYが復活することはもうない。だからこそ・・
長々と語りましたが、これで私の思い出語りは終わりです。
このような経験があったからこそ、2017年に携帯板のKOTYが休止したと聞いたとき「だろうね」という感想を持ちましたし、今回の本スレが休止するという発表を聞いた時も「だろうな」と思いました。
選評ありきでスレが進むKOTY。しかし実際にKOTYスレ内でクソゲー候補をプレイする人は稀で、ラー油さんなど、スレ住人じゃない人のブログからプレイレポを持ってくる始末。そんな状態でスレが進めば、衰退は当然と言えます。
KOTY休止の理由として「ゲーム業界の様相が大きく変化した」だの「対象候補となるクソゲーがないことは喜ばしい」だのともっともらしいことが書かれていますが、全てそれっぽいことや理屈をつけて根本原因である「自ら選評を書かない」ということから目を背けている言い訳であると私は考えます。
続けたいと思うならば自らクソゲー候補を探せばよかったのです。そして遊んで選評を書けばよかったのです。それをしなかったのですから、無くなるのは必然です。
そしてこんな調子で続いていたスレです。
「活動休止(終了ではない)」なんて書かれていますが、この現状では復活はあり得ないと思います。
もしかしたら今後過去最大級のクソゲーが出てスレが盛り上がることがあるかもしれませんが、それでも一時盛り上がる程度でそのまま継続はないだろうなーと思っています。
しかしKOTYが終わったことで「こういうのがクソゲーだ!」という解を得る手段が減ってしまったのは事実です。人によっては唯一の手段だったかもしれません。
ですが私としては「クソゲーはほかの人の評価ではなく自分で決めるべき」だと思います。
特に私のように幅広く遊ぶタイプのゲーマーは酸いも甘いも知るべきだと思っているので、ぜひいろんなゲームを遊んでみてほしいです。もしかしたら自分にとっても会うゲームに出会うかもしれませんからね。
今回のKOTYの終了を受けて、ゲーマーの皆様には自分から開拓するその一歩を踏み出してほしいなと思います。
そんな中でとんでもないゲームに当たったら・・文章に起こして笑いに昇華しましょう!
そんな思いも込めまして、KOTYの総評に倣い、とあるゲームの名言でこの記事を締めさせていただきます。
「そして・・・・ たんきゅうのたびははじまった」