羽根が、舞う。 一羽の小鳥が、地面に堕ちた。 羽根を折られ、不自然にひしゃげた首。 しなやかなラインは、血に染まる。 それが、冴が初めて見る『死』というも…
この部屋を照らす光は、淡く灯った蝋燭の炎だけ。 部屋の中央に横たわるそれは、細巧に作られた、不完全な人形。 一瞬、人間と違えてしまいそうなほど鮮明に創られた…
人を人形に変えてしまう者達がいる。 醜く生に縋る人間を弄ぶがの如く――――― 彼女の足は逃げるためにある。 まだ走れる。 走れなくなったら、それは彼女が…
▼目次 ■01 幕開け ■02 蝋燭と少女と人形と ■03 それは邂逅
ドールのトップを変更しました。 それに加えて、少しずつ加筆修正していた部分と、今まで書いていた部分とのズレが生じてきたため、未修正の方を一時的に撤去しております…
あきのか
2019年9月7日 14:37
羽根が、舞う。 一羽の小鳥が、地面に堕ちた。 羽根を折られ、不自然にひしゃげた首。 しなやかなラインは、血に染まる。 それが、冴が初めて見る『死』というものだった。 彼女は動かなくなったそれをすくい上げる。 驚くほど美しい真紅は、冴の衣服にシミを作った。じわりと、広がる朱。 小鳥は、あっけないほど簡単に、死んだ。その生を散らせ、ただの物体と化す。「冴?」 声が降ってくる。
2019年9月2日 14:56
この部屋を照らす光は、淡く灯った蝋燭の炎だけ。 部屋の中央に横たわるそれは、細巧に作られた、不完全な人形。 一瞬、人間と違えてしまいそうなほど鮮明に創られたそれは、ぞっとするほど美しかった。 カツンと、靴底が鳴る音が響く。 青年がゆっくりと人形の傍に寄り、そのまま視線を落として髪を梳いた。金糸のように細く柔らかい髪。 薄っすらと青白く映し出された輪郭をなぞる。 人形は、動かない。
2019年9月1日 23:03
人を人形に変えてしまう者達がいる。 醜く生に縋る人間を弄ぶがの如く――――― 彼女の足は逃げるためにある。 まだ走れる。 走れなくなったら、それは彼女が消える時。 だから少女は、走り続ける。「はぁ・・・はぁ、は・・・ぁっ」 息を切らせ、顔を歪ませながら、それでも少女は懸命に駆け抜ける。 すでに少女はパニック状態に陥っていた。 腹部を押さえ、ひたすらに走る姿は、狂気にすら見
2019年9月1日 22:58
▼目次■01 幕開け■02 蝋燭と少女と人形と■03 それは邂逅
2019年8月18日 23:23
ドールのトップを変更しました。それに加えて、少しずつ加筆修正していた部分と、今まで書いていた部分とのズレが生じてきたため、未修正の方を一時的に撤去しております。こちらは加筆修正ができ次第upしていく方向であります。誠に申し訳ございません(土下座しかしながら、タイトルつける才能が無さすぎて辛い・・・