会社の資金が残らない理由(1)
[要旨]
資金不足を生じる会社の要因のひとつは、事業計画書を作成していないこがあげられます。事業計画書(=計画損益計算書)を作成することで、実行しようとする事業のシミュレーションをすることができ、事前にそれををより研ぎ澄まされたものとすることが可能になります。
[本文]
認定事業再生士の山本誉さんのご著書、「手元資金を増やす中小企業の経営改善の進め方」を拝読し、いくつか、共感する点がありましたので、ご紹介したいと思います。山本さんは、中小企業の資金繰が悪化する理由を、4つ挙げています。ひとつめは、事業計画書がないということです。規模の小さい会社では、事業計画書を作成することは、あまり行われていません。
その理由としては、事業計画書の必要性が低いから、そして、労力がかかるからということでしょう。そして、私が実際に中小企業の経営者に事業計画書の有無をきいて、返って来る答えには、「事業計画は紙には書いていないが頭の中にある」というものがあります。しかし、事業計画は、紙に書くべきものです。その理由は、私は、事業計画書(=計画損益計算書)を作成することで、事業のシミュレーションができるからです。
これを頭の中だけで計算することは難しいことです。そこで、事業計画書(=計画損益計算書)を作成することで、ある程度、事業の妥当性を確認できます。また、経営者に見込み違いがあった場合、それを発見し、修正することも可能です。したがって、事業計画書を作成することは、事業の精度を高め、資金を確実に確保するために大切な役割を担います。この続きは、次回、説明します。
2022/3/8 No.1910
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