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経営は顔つき合わせての会議で行われる
[要旨]
ITT元社長の、ハロルド・ジェニーン氏は、子会社のマネージャーたちと、直接、顔を合わせて会議を開き、改善点を究明することで、業績を伸ばしてきました。マネージャーに指示を出すだけではなく、会議の場で課題への対処方法を深く検討する活動は、業績を伸ばすためには大切です。
[本文]
今回も、ITT元社長の、ハロルド・ジェニーンの著書、「プロフェッショナルマネジャー」の中から、参考になると思われた内容についてご紹介したいと思います。「ITTの本当の経営は、子会社のライン・メンバーの顔突き合わせての会議において行われていたからだ」ジェニーン氏は、ITT社長として、「58四半期連続増益を遂げた」ことで有名ですが、その要因は、「業務監督制度」と言われる会議にあったようです。
その会議に、ジェニーン氏は、年間、20週間費やしたそうです。会議では、子会社のマネージャーたちに、計画と実績を報告させ、実績が未達成の場合は、その原因を報告させていました。その報告に基づきし、ジェニーン氏は、本社のスタッフや、他の子会社のマネージャーたちとともに、解決策を検討していったようです。
このようなジェニーン氏のやり方に対し、自由にやらせて欲しいというマネージャーもいたそうです。このようなマネージャーに対しては、ジェニーン氏は、「もし、あなたがこの問題を解決すれば、どれだけの助けを借りようと、あなたはそれを解決したことになり、年末には、予算目標を達成した功績に対して、ボーナスを手に入れることになるでしょう」と、説得したそうです。
会議でいろいろなことを報告してもらうことは、マネージャーにとっては、批判を受けたり、余計な介入をされたりすることのように受け止められがちです。しかし、ジェニーン氏は、マネージャーに成功してもらうために、会議で報告をしてもらっているということを、何年もかけて理解してもらっていったそうです。このことは、最初は頭では理解できても、感情的には、直ちには受け入れにくいものです。そこで、ジェニーン氏は、「顔突き合わせての会議」にこだわっていたようです。
会議は、どちらかというと、無駄な時間を費やすものであると、しばしば、ネガティブに評価されることがあります。事実、無駄な会議はあると思います。しかし、コミュニケーションは組織活動に必須の要素であり、ジェニーン氏は、会議で実効性のあるコミュニケーションを行うことで業績を伸ばしてきました。したがって、批判されるものは、会議という場ではなく、会議で実効性のあるコミュニケーションを開かないことでしょう。
2021/11/19 No.1801