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[要旨]

作家の林真理子さんは、37年間にわたって、1655回のエッセーを週刊誌に掲載してきましたが、このような数値で示すことができる実績は、多くの方から客観的な評価を受けることができます。会社の業績についても、銀行などから評価を受けようとするときは、客観的な数値で示すことができるような工夫をすることが大切です。


[本文]

先日、「作家の林真理子さんが、37年にわたって、週刊誌で連載を続けてきたエッセーが、『同一雑誌におけるエッセーの最多掲載回数(1655回)』として、ギネス世界記録に認定された」というニュースを聴きました。林さんは、すでに、大きな評価を受けている作家ですが、37年にわたって、1655回も連載を続けているという「事実」にも、たいへん驚かされます。

このように書いては失礼ですが、作家の才能をどのように評価するのかということについては、定性的な要素が大きいので、定量的な評価はなかなか行いにくいものですが、このような、37年、1655回という、客観的な数値であれば、多くの方が、ほぼ同様にに評価できることになります。

このような評価の性質は、銀行の融資判断にもあてはまると、私は感じています。確かに、融資が可能かどうかは、融資相手の会社の、将来の可能性に対して判断するものですが、それは、定性的な要素が占める部分が大きいので、多くの場合、過去の業績などの定量的な部分が、融資の可否の判断の大きな部分を占めているという状況が実態です。

これについては、「銀行は、過去のことばかりに目が行って、将来のことには耳を貸さない」という不満を持つ経営者の方も少なくありませんが、銀行は、結果としては過去の数値を見てはいるものの、それは、客観性が高いデータであるという理由によるものです。もちろん、銀行も、将来性を見極める、目利き能力を高める努力が求められていますが、融資を受ける会社側も、客観性の高い要素を提示できるような工夫を行う努力が大切だと思います。

ちなみに、私も、フリーランスになったころは、「実績のないコンサルタントに、仕事を依頼したくない」といわれたことがあります。私が、このように判断されることについては、「どんな仕事をしている人も、最初から実績のある人なんていないのに…」と、くやしい思いをしました。でも、仕事を依頼する相手にとっては、確実性の高い相手を選びたいという要望を持つことも理解できます。

そこで、私自身も、客観性の高い実績を示すことができるようにするための努力をしてきました。例えば、私の制作しているポッドキャストは、配信回数が600回を超えましたが、それくらい配信を続けている番組は、いまは少数です。メールマガジンの配信数も、1,400回を超え、また、本の出版も7冊となりました。

このような実績を示すことで、少しずつ、私に対する信頼性を高めて来ています。もちろん、このような実績だけで、すべての問題が解決するわけではありませんが、約10年前に開業した当時と比べると、このような客観的な事実は、いまの私にとって大きな糧になっています。

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