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銀行のコンサルティング機能は有効か?

[要旨]

銀行から融資を受けている会社が、銀行に対してコンサルティング機能の発揮を求めている場合は少なくないようです。しかし、銀行にはコンサルティングを行う余力があまり多くないことから、本格的なコンサルティングを求めることは、あまり、現実的ではありません。


[本文]

私は、よく、「銀行が、融資相手の会社に対して行うコンサルティングは、役に立つのか?」という質問を受けます。これについては、いろいろと前提などを説明してから回答したいのですが、長くなりそうなので、結論から述べると、役に立つ面もあるけれど、あまり、期待するべきではない、ということになります。では、役に立つ面はどのようなところかというと、財務面については、一般の会社の従業員よりむ、銀行職員の方が詳しいと考えられますので、財務面での助言は有用でしょう。

また、銀行の特質から、他の会社の実例などを把握し、蓄積していることから、それを参考に、融資相手の会社への助言ができるでしょう。一方、期待できないところはどのようなところかというと、銀行のキャパシティと、銀行職員の能力です。いま、銀行は、職員数があまり十分ではないことから、コンサルティングを行う余力は多くありません。

また、銀行職員も、融資審査のスキルを高めることで精一杯で、コンサルティングスキルまで身に付けさせることは、なかなかできないでしょう。(ただし、コンサルティングの専門部署を設けている場合、その職員については、専門性を高めているでしょう)しかし、私は、銀行の本業は融資であり、融資を受けている会社が、銀行に対して、コンサルティングに期待を持ちすぎることは、あまり賢明ではないと考えています。

2021/11/30 No.1812

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