秋田県の主要産業は第三次産業
[要旨]
秋田県は農業が盛んであるというイメージが大きいですが、第一次産業の生産額は、県の全体からみれば、約3%です。このように、イメージと実際の数値は異なることもあるため、データの裏付けを確認することは大切です。
[本文]
私は、以前、ご支援先の事業改善計画の作成のために、秋田県について調べたことがあります。このとき、秋田県の経済活動について、私がイメージしていたことと違うところがあるということがわかりました。これについて、他の人にも話してみたのですが、やはり、私と同じように、意外だと感じたようです。
その、イメージと違う部分は何かというと、秋田県の県内総生産(国のGDPに相当)に占める、農業の生産額です。私は、秋田県は、お米の生産が盛んであるというイメージを持っていましたが、具体的に秋田県の農業の生産額はどれくらいかというと、平成29年度は、約1,013億円でした。(ご参考→ https://bit.ly/38omHc0 )
この金額は大きな金額ですが、平成29年度の秋田県のGDP、約3.6兆円に占める割合は、約2.8%に過ぎません。秋田県は農業が盛んとはいえ、県内総生産の額で占めると、それほど大きくはないということです。ちなみに、秋田県の県内総生産に占める、第一次産業の生産額は、約1,153億円で、比率は3.2%、第二次産業は約8,669億円で24.3%、第三次産業は約2.6兆円で73.0%となっています。
このように、数字で見てみると、秋田県の生産額の約4分の3は、第三次産業ということがわかり、統計で言えば、流通・サービス業が最も盛んであるということになります。では、秋田県は観光も主要産業であることから、第三次産業の中で、宿泊業が大きな割合を占めているのかというと、「宿泊・飲食サービス業」の生産額は、約1,044億円(2.9%)であり、第三次産業の中で最も大きい不動産業の、約4,431億円(12.4%)の4分の1に過ぎません。
もちろん、県内総生産に占める金額の割合が低いから、重要ではないということにはなりませんが、例えば、秋田県で事業を始めようとするとすれば、第一次産業よりも第三次産業の需要を狙う方がよいということは、容易に分かります。今回は、秋田県の県内総生産について例に挙げましたが、私たちは、先入観で行動を選んでしまいがちであるものの、客観的なデータの裏付けをとることも大切だと、私は考えています。
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