ピザ2枚のルール
[要旨]
ジェフ・ベソスは、ひとつのチームはピザ2枚で足りるくらいの規模が適切と述べています。4~6人の規模であれば、チームメンバーの当事者意識が高まり、組織的な活動の効率が高くなるからです。そして、経営者の方は、チームの編成に加え、チームへの権限委譲を行い、チームメンバーの士気が高まるようにすることが大切です。
[本文]
今回も、遠藤功さんのご著書、「生きている会社、死んでいる会社-『創造的新陳代謝』を生み出す10の基本原則」を読み、私が気づいたことについてご紹介したいと思います。遠藤さんは、会社内のチームの適切な人数について、アマゾン創業者の、ジェフ・ベソスなどの言葉を引用しながら、解説しています。「アマゾン創業者のジェフ・ベソスは『ピザ2枚のルール』を提唱する。『ひとつのチームは、ピザ2枚で足りるぐらいの規模にとどめなければならない』と指摘する。
ある日本人経営者は、『神輿を担ぐ」と表現する。小さな神輿なら、4人で担ぐのが基本だ。誰かひとりが手を抜けば、誰が手を抜いているかはすぐわかる。4人で力を合わせなければ、神輿を担ぐことはできない。大きな神輿を何十人かで担ぐとなれば、ただぶら下がっているだけの人間が必ず出てくる。会社には『大きな神輿』は必要ない。『小さな神輿』をたくさんつくり、みんなで担ぐことが基本である」(296ページ)
ピザ2枚分の人数は、4~6人だと思いますが、これくらいの人数であれば、チームメンバーの当事者意識が高まり、組織的な活動の効率も高くなると、私も思います。だからといって、単に、会社の従業員を、4~6人のチームに分けさえすればよいということではないと思います。
ある程度の課題を与え、それに相応した権限も与えなければ、チームメンバーの士気は高まりません。もちろん、社内の各チームに権限委譲した結果、課題を達成できないチームも出て来ると思いますので、経営者の方の中には権限委譲を躊躇することもあると思います。そこで、最初は、QCサークル活動などによって、改善活動への参画意識を高め、組織の成熟度を醸成する活動をするとよいと思います。
このように、従業員の方たちの成熟度は、一朝一夕に高めることはできませんが、でも、いったん、成熟度が高まれば、組織的な活動の成果は、幾何級数的に高めることができるものと、私は考えています。したがって、経営者の方は、組織の成熟度を高めるための支援や、組織的な活動の効率が高まる組織づくりなどの活動に注力することが大切です。
2022/7/31 No.2055