ライフログを教育に活用する-そろタッチで早起き学習習慣-
夫婦でライフログを共有してみたら...
自分の予定は覚えているのに、妻の予定となると忘れている。特に土日の予定を事前に言った言わないで、言い争いになったことも何度かあった。それが最近、カレンダー共有アプリを使ってお互いの予定を見える化するとかつてのような喧嘩もなくなった。それ以上に、家族で時間を有効に使う話し合いもできるようになっている。
こんなこともあった。子供が段々大きくなって教育費やら夫婦間でお金の話も増えてきたある日、妻から全資産を家計簿アプリで一元管理しようとの提案があった。経済的な自由が減るのを受け入れ、腹を括って全ての口座をアプリに連携。毎月の収支を完全に見える化した。(もっとも、完全に金銭的自由を放棄することは本意ではなく、へそくり口座の一つだけは別管理しているしているのは妻には内緒である)すると、家計が一目で把握できるだけでなく、タバコは無駄でしょとか、スタバ多すぎとか「生活習慣」まで踏み込んだ会話ができるようになった。良くも悪くも、家計だけでなく、生活習慣のコンサルティングを受けている状態となった。
そして現在、「どうせならもうお互いの居場所もGPSで共有した方が、子供の送り迎えをどっちがやるか決めるの便利だよね」と提案を受けている。私自身に決してやましいことはない。いつどこにいるか妻に把握されようが、決して問題はないと声を大にして言いたい。しかし、本音を言うと自分だけの自由時間を確保したいために、なんだかんだ理由をつけて後伸ばしにしてる。いわれのない理由で喧嘩にならないようにそろそろ受け入れるつもりだ。。まもなく、娘を塾に送り届けた後にスタバで少し1人時間を過ごすなどという小市民のささやかな楽しみも奪われてしまうのだろう。。
いずれにしても、行動予定や家計収支など、ライフログを見える化し、共有することで、生活習慣まで改善できるようになったのは収穫だ。
ライフログを教育施策に活用する
従来より、教育においては、学習履歴(スタディログ)の蓄積、分析の必要性は言われていた。今月に公開された教育再生会議の提言において下記のように記載されている。学習履歴等のスタディログに加え、生活・健康面のデータであるライフログの取得、活用の重要性も議論されているようだ。
☑️児童生徒に関するデータ(学習履歴や生活・健康面に関するデータ)
☑️教師の指導・支援等に関するデータ
☑️学校・自治体に関する行政データ
等の取得や効果的な活用にも取り組む必要があります。
このことは、個人と社会全体のウェルビーイングの実現を目指す上でも重要です。
加えて、アカデミアの世界でも、緊急事態宣言下での一斉休校が子供達の学習にどのように影響したかのライフログを用いた研究が最近になって発表されている。オンライン教材サービスのデータを用いて、一斉休校下のオンライン学習の実施状況を分析した東京大学の山口先生の論文は非常に示唆に富む内容だ。一斉休校が実施された3月第1週を境に利用時間が増加しており、休校直後の3月、4月に増加が顕著だった。休校直後の混乱の中で、オンライン教材の利用が中高生の学習継続に一定程度貢献したと解釈できる。
データ収集の重要性を改めて感じさせる内容であり、こうした研究が進むことで学校における今後のオンライン/オフライン授業提供の方針策定にもつながると思われる。
ライフログから早起き学習習慣へ-そろタッチの取り組み-
そろタッチではライフログを用いて早起き学習習慣促進する取り組みを昨年に実施している。一斉休校下でそろタッチ学習者向けに早起きを促進し、生活リズムを整える「おはそろチャレンジキャンペーン」である。
背景にあったのは、休校前の1月31日から2月19日の期間と、休校後の5月1日から5月20日の期間との比較で朝6-8時の間にそろタッチを学習している生徒の比率が平均21.3%から14.0%へ変化し、7.3ポイントと大きく減少していたことである。
キャンペーンにより、早起き学習者比率が緊急事態宣言中の5月に比べ+16.3ポイントと大幅に増加、30.3%となり、休校以前よりも多くの生徒が朝のそろタッチ学習に取り組む結果となった。
更にキャンペーン終了後の7月も継続して30%に迫る高い早起き学習者比率を保っており、早起き学習の習慣化が見られるようになった。
教育再生会議においては、ライフログを蓄積し、教育に活用するという方針は発表されているが、残念ながら、その具体的活用方法は示されていない。そろタッチのように、学習時刻等のライフログを早起き学習習慣を取り戻すアクションまで活用できた事例というのはまだ少ないのではないだろうか。
そろタッチ公式HP: https://www.sorotouch.jp
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