咲くやこの花館
大阪東部、鶴見緑地に「咲くやこの花館」はあります。
1990年に開催された国際花と緑の博覧会(花博)で大阪市のパビリオンとして建設されました。
今も温室植物園として、日本最大の温室面積を誇ります。
熱帯雨林植物、サボテン多肉など一般的な温室植物以外に高山植物や極地植物の展示があるのがユニークです。
サボテン・多肉植物室の目玉は何と言っても日本最大の「奇想天外」でしょう。
ナミビア砂漠原産、樹齢は数百年(一説には二千年を超える株もあるとも)の長寿を誇る稀少な多肉植物です。
二枚の本葉のみで新しい葉は出ずに一生二枚の葉が伸び続け、カールして株を取り囲むようになります。
一番大きな雄株は花博当時樹齢30年。
現在では60年を超えていることになります。
日本最大、栽培下では世界有数の大株と言われています。
昔は非常に栽培が難しいと言われ、現地では直根を地下20mに伸ばすこと(とずっと言われているのですが、疑問視する学者もいるようです)から根を曲げてはいけない、植え替えが出来ないということから土管栽培や鉢を垂直に積み重ねる栽培法が編み出されましたが、実は根をらせん状に丸めて植え替えても大丈夫であることが知られてきて、輸入種子を実生する愛好家も増えています。
最近人気のコーデックス(塊根系)の代表、キョウチクトウ科パキボディウム属の巨大株。
砂漠のバラと呼ばれるアデニウム属のオベサムは開花まっさかりでした。
サボテン温室の華、巨大柱サボテンと玉サボテン。
だいたいどこに行っても柱サボテンは武倫柱、玉サボテンは金鯱がメインです。この写真も中央柱サボテンは武倫柱。
和名は学名のパキケレウス プリングレイから来ているようです。
北メキシコ原産の10m前後まで育つ巨大種で、比較的巨大種の中では育てやすく成長が早いことから大型温室でよく見る種類です。
産地や選抜によって稜の数、棘の長さや色にはかなり違いがあるようです。 実は西部劇に必ず出てくる柱サボテンは違う種類で、アリゾナ州原産の「弁慶柱」と言います。最大17m(マンション5階の高さ!)にまで育つ、サボテン中で最大の種類です。
だいたいどこの温室植物園にもありますが、ほとんど1m程度までの小苗しかありません。
実は非常に気難しい種類で成長も遅く、現地球やアメリカの栽培業者から大株を輸入しても根付かないことが多いそうです。
咲くやこの花館でも花博時に輸入株を展示されていましたが、10年程度で枯死したようです。
棘の無い珍奇な姿を見せるウチワサボテン、バーバンクウチワ。
アメリカの著名な育種家、ルーサー・バーバンクが改良した園芸種です。
砂漠で牧畜を可能にする夢の農作物として開発に成功しましたが、家畜が味を好まずに普及しなかったと言われています。
現在は細々と食用に栽培されており、日本でも春日井市で商業栽培されています。
非常にヘルシーで栄養素の多い健康野菜です。
初訪問でしたがあまり時間がなく、駆け足で回りました。
また来ます。
温室外露地ガーデンは項を改めますね。