【榊莫山】日本画 / 紙本・彩色 査定 鑑定 買取 致します
榊 莫山
紙本・彩色
◎榊 莫山の芸術
榊莫山（1926-2010）は、三重県出身の書家で、書道とアートを融合させた独自のスタイルを確立したことで知られています。京都大学文学部で美学を学び、若い頃から古典的な書に親しんできましたが、30代を過ぎてから公募展や書壇から離れ、自由な創作活動を開始しました。彼の作品は、伝統的な書道の枠を超え、詩や絵画と融合させることで、文字を一種のアート作品として表現しています。
榊莫山の代表作には、漢字一文字に焦点を当てたシリーズがあります。例えば「土」や「山」といった単純な文字を、20年以上にわたって追求し続け、書の中でにじみやかすれを巧みに活用し、文字が持つ形や意味を超えた表現を生み出しました。また、彼は自然との深いつながりを大切にしており、晩年には故郷伊賀の山間部に住みながら、日々の生活の中で書と向き合いました。彼の書は、単なる文字ではなく、自然や感情の表現を含む芸術作品として評価されています 。
莫山の作品は日本だけでなく海外でも評価され、書道とモダンアートの架け橋となる存在として認識されています。彼の創作活動は、パリでの現代美術との出会いや、中国での書道の源流探求などを経て発展しました。彼は特に日本の禅僧である白隠や良寛など、禅の書に大きな影響を受け、その精神性を自身の作品にも取り入れています 。
晩年まで多くの展覧会を開催し、書とアートの融合を追求し続けた莫山は、詩書画一体の新しい表現スタイルを確立しました。2010年に84歳で亡くなりましたが、その後も彼の作品は国内外で高く評価され続けており、三重県立美術館などで大規模な回顧展が開催されています。
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