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【杉山寧】版画 / リトグラフ「鯉 瀅」査定 鑑定 買取 致します


杉山 寧
鯉 瀅
リトグラフ
40×53cm


◎杉山 寧の芸術

杉山寧(すぎやま やすし、1909年-1993年)は、20世紀の日本画壇を代表する画家であり、東山魁夷や高山辰雄と並んで「日本画三山」の一人として知られています。彼の作風は、日本画の伝統的な技法とモダンな要素を融合させ、革新的なアプローチを取り入れたものです。杉山は、戦前から高い評価を受けており、帝展(帝国美術院展覧会)で2度の特選を受賞するなど、若い頃から才能を認められていました。

彼の代表的な作風として、「造形主義」が挙げられます。これは、写実と抽象の要素を二重構造として組み合わせ、物体や概念を視覚化しようとするアプローチです。例えば、1951年に発表された大作「エウロペ」は、ギリシャ神話を題材にし、巨牛に乗る裸婦を描いたもので、その斬新なテーマと大胆な表現が当時の日本画壇に衝撃を与えました。また、絵肌にこだわり、従来の日本画で用いられる和紙や絹ではなく、キャンバスを使うことで重厚感のある作品を制作しました。

杉山寧はまた、エジプトやギリシャなど中近東の古代遺跡や神像を題材とした作品を手がけ、これまで日本画で取り上げられることが少なかったモチーフにも挑戦しました。これにより、彼の作品は従来の枠にとらわれない国際的な視野を持つものとなり、日本画の新たな可能性を切り開きました。

彼の作品には、精密なデッサン力と知的な構成力が特徴であり、その静謐な美しさは多くの人々に感動を与え続けています。特に、色彩の使い方や緻密な描写は高く評価されており、ポーラ美術館をはじめとする国内外の美術館に多くの作品が収蔵されています。

杉山はその功績により、1970年に日本芸術院会員に選ばれ、1974年には文化勲章を受章しました。また、晩年まで意欲的に作品を制作し続け、1993年に84歳で没するまで、日本画の発展に大きく貢献しました。


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