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【斎藤真一】 油彩他、版画各種 査定 鑑定 買取 致します

『瞽女物語』(講談社文庫)は、画家・斎藤真一が著した作品で、盲目の旅芸人である「瞽女(ごぜ)」たちの愛と死を描いた物語です。斎藤は、鮮烈な赤と暗く重たい青の絵具を用いて、越後路を三味線片手に流浪する瞽女たちの孤独や苦悩、そして陶酔する姿を描き出しています。

◎斎藤真一の「瞽女(ごぜ)」

斎藤真一(1922年~1994年)は、岡山県倉敷市出身の洋画家であり、特に盲目の女性旅芸人である「瞽女(ごぜ)」を主題とした作品で知られています。彼の作品は、失われゆく日本の伝統文化や人々の哀愁を独特の作風で描き出し、多くの人々の心を惹きつけました。

斎藤は東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、教職を経て、1959年からパリに留学しました。この留学中、藤田嗣治と親交を深め、彼から「日本に帰ったら秋田や東北の良さを、自分の画風で描きなさい」との助言を受けました。この言葉に触発され、帰国後、津軽や越後を訪れ、瞽女たちの生活や文化に深い関心を抱くようになりました。

1964年から約10年間、斎藤は新潟県(旧・越後)に通い、瞽女たちの取材を続けました。彼は彼女たちの生活や旅路を丹念に観察し、その姿を「瞽女シリーズ」として作品に昇華させました。このシリーズは、「越後瞽女日記」「津軽じょんから瞽女日記」「お春瞽女物語り」の3つのテーマに分かれ、それぞれが瞽女たちの人生や哀愁を深く描写しています。

特に「越後瞽女日記」は、斎藤自身の文章と素描で構成された絵日記であり、400枚以上の作品が存在します。これらの作品は、瞽女たちの貴重な記録であると同時に、彼女たちを支えた農村の人々との心の交流も伝えています。斎藤の作品には、赤色が効果的に使われており、瞽女たちの哀愁や情熱を象徴しています。例えば、「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」は、瞽女の悲哀を赤を基調とした色彩で表現し、高い評価を受けました。

斎藤の瞽女シリーズは、単なる絵画作品にとどまらず、彼の著作やエッセイとしても発表されました。1972年に出版された『瞽女=盲目の旅芸人』は、第21回日本エッセイストクラブ賞を受賞し、同年の『越後瞽女日記』はADC賞(美術出版社)を受賞しています。これらの著作は、瞽女たちの生活や文化を後世に伝える貴重な資料となっています。

斎藤の作品は、失われつつある日本の伝統文化や人々の心情を描き出すことで、多くの人々に郷愁や哀愁を感じさせます。彼の描く瞽女たちの姿は、単なる過去の記録ではなく、現代に生きる私たちにとっても、人間の持つ普遍的な感情や生き様を考えさせるものとなっています。そのため、斎藤真一の瞽女シリーズは、絵画としての美しさだけでなく、深い人間理解や文化への敬意を感じさせる作品群として高く評価されています。

現在、斎藤の作品は各地の美術館で所蔵・展示されており、彼の描いた瞽女たちの世界を直接目にすることができます。例えば、知足美術館や出羽桜美術館分館「斎藤真一心の美術館」などでは、彼の代表作が収蔵されています。また、彼の故郷である倉敷市立美術館でも、斎藤の作品が展示されることがあります。

斎藤真一の瞽女シリーズは、彼の深い人間観察と独特の美的感覚によって生み出された作品群であり、日本の伝統文化や人々の心情を深く理解する上で、非常に貴重なものと言えます。彼の作品を通じて、失われつつある日本の文化や人々の生き様に思いを馳せることは、現代に生きる私たちにとっても大きな意義を持つことでしょう。

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