【山下清】版画 /リトグラフ 「日本平よりの富士」査定 鑑定 買取 致します
山下 清
日本平よりの富士
リトグラフ
47.5×55cm
◎山下清の芸術
山下清は「放浪の天才画家」として知られ、その独自の芸術スタイルで多くの人々に愛されました。彼は1922年に東京・浅草で生まれ、幼少期から軽度の知的障害を抱えていたため、千葉県の八幡学園に入園します。ここで、彼は「ちぎり紙細工」と出会い、その技法を発展させた「貼り絵」を通して才能を開花させました。この貼り絵技法は、細かくちぎった紙を幾層にも貼り重ねることで独特の質感と色彩を生み出すもので、山下清の作品はその精緻さと鮮やかさが際立っています。
山下清はまた、一度見た風景を詳細に記憶し、それを後に再現する驚異的な記憶力を持っていました。この能力により、彼は放浪の旅の途中で目にした風景を後にアトリエで再現し、数々の名作を生み出しました。特に代表作として知られる《長岡の花火》や《桜島》は、彼の観察力と記憶力、そして独自の貼り絵技法が融合した傑作です。
1940年代から1950年代にかけて、山下は放浪を続け、国内各地を巡りながら作品を制作していきます。その活動はメディアの注目を集め、特に1954年にアメリカの雑誌「LIFE」で取り上げられたことをきっかけに、山下清は国際的にも知られるようになりました。この時期には、新聞で彼の放浪日記が連載され、1956年の大丸東京での個展には80万人もの来場者を集めるなど、爆発的な人気を博しました。
山下の作品は、自然風景や農村風景、花火大会など日本の懐かしい原風景を描いたものが多く、その素朴で暖かい作風が特徴です。また、彼の油彩画やペン画にも貼り絵の要素が感じられ、点描のようなタッチで描かれることがありました。晩年には視力の低下により貼り絵の制作が難しくなったため、陶磁器への絵付けなど新たな表現手法を探求しました。
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