【斎藤真一】油彩画 査定 鑑定 買取 致します
斎藤 真一
キャンバスに油彩
◎斎藤真一の芸術
斎藤真一（1922年-1994年）は、岡山県倉敷市出身の日本画家であり、盲目の女性旅芸人「瞽女（ごぜ）」を描いた作品で知られています。斎藤は、東京美術学校（現・東京藝術大学）で学び、1959年にはフランスに渡り、パリで藤田嗣治と親交を深めました。この留学が、彼の画風に大きな影響を与える重要な転機となり、藤田の勧めで日本の北国や津軽地方を訪れ、瞽女に関心を持つようになりました。彼の作品は、津軽や越後の風景とともに、失われつつある日本の文化や悲しみを表現しています。
斎藤の代表的な「瞽女シリーズ」は、瞽女の過酷な人生や哀愁を赤い色彩で描き、非常に印象的です。特に「越後瞽女日記」などの画文集は、絵画だけでなく、文章でもそのテーマを深く掘り下げ、エッセイストとしても高い評価を受けました。このシリーズは日本エッセイストクラブ賞を受賞するなど、文学的にも成功を収めています。また、彼は瞽女以外にも、吉原の花魁をテーマにした作品群を制作し、これが後に五社英雄監督の映画『吉原炎上』の原作としても使用されました。
斎藤は絵画だけでなく、旅とともに人生を送りました。彼はフランス、イタリア、ポルトガルなどヨーロッパ各地を訪れ、異国の風景や人々からもインスピレーションを得ました。また、彼の作品には、こうした旅の経験が反映されており、異国情緒漂う作品や放浪者を描いたシリーズもあります。
晩年には、日本橋高島屋や各地の美術館で個展が開催され、彼の作品は多くの観客に感動を与え続けました。1994年に72歳で亡くなった後も、各地で彼の遺作展が開催され、その影響力は今も続いています。彼の作品は、失われゆく日本の風景や人々を鮮烈な色彩で描き、時代を超えた共感を呼び起こすものとして高く評価されています。
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