日々是音楽
先日この世界の片隅にあるとあるお店でたまに開催される不定期音楽イベント、日々是音楽に運よく参加してきました。
前回参加できたのがもう何年か前の夏の日としか覚えてなくて、その頃は向かいの酒田市役所もまだ何かの工事をしていた気がするし、随分経ったなあという印象。今回はピアノがテーマという事でMCではピアノの歴史に始まり古今東西のピアニスト達の様々なスタイルの演奏を聴くことが出来ました。個人的にめっちゃいいなと思ったのはRobert GlasperのCoveredっていうライブアルバムに収録されているSo Beautifulっていう曲で、Musiq Soulchildの同曲のカバーなんだそうですが、聴き比べてみるとアーティストの個性の違いみたいなところが感じられて味わい深かったです。
ところで18世紀頃に誕生して以来、様々な演者と共に人類の歴史を見守ってきたピアノですが、第二次世界大戦の最中、ナチスドイツのホロコーストから生還したユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験をもとに作られた映画、戦場のピアニストの印象的なシーンで流れてくる曲、ショパンのバラード第1番ト短調op23もまた、琴線に触れる曲でした。
普段クラシック音楽なんて聴く習慣もないくせに、何かがすごく刺さったのは、現在進行形で目の当たりにしているロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの対立の影響が少なからずあると思います。
宗教や民族、イデオロギーによる対立というのはおそらくなくなる事はないであろう人類の歴史の中でずっと続いている大きなストーリーですが、映画戦場のピアニストの中の、ドイツ人将校とユダヤ系ポーランド人のピアニストの間に起きた小さなストーリーが今もなお多くの人の心を揺さぶる事には希望を感じます。
そんな小さなストーリーの集積が世の中を変えていくかもしれない気がしたのが、Haruka NakamuraのNowhereでした。
Nowhere、どこにもないという意味の単語は分解するとNow Here、今、ここという意味になるという曲紹介にハッとさせられて、それぞれの個人が目の当たりにしている今、ここにある世界とはどこにもないかけがえのないものであり、そこから紡がれてれいく小さなストーリーの事を生活と言ったりLifeと言ったりすると思うんですが、そんな小さなストーリーを守りたいという気持ちはどんな対立構造の最中にあっても万人が希う気持ちではないでしょうか。
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