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九龍城に集え!『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
年末に映画を見ていた際の予告で「絶対に観よう」とひと際輝いて見えた香港アクション映画である『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を先週観に行って来た。
もともと父や叔父の影響で家には大量のカンフーやアクション映画のVHSがあり、幼い時からよく見ていて好きだったが、最近は観てもあんまり個人的に来るものがなく、香港アクション映画自体下火な印象もあった。というより日本の香港アクション映画人気がジャッキーチェンの老いと共に下降していったような感じで、本場の香港ではおそらくそんなことはなく良作は出続けているとは思う。だからこそ「香港映画史上歴代No.1大ヒット」の触れ込みは「絶対に間違いないだろう」という期待を募らせた。
そんなわけでカンフー映画を全く見たことがないという友人と劇場へ行ってきました。もし内容が微妙だったり楽しめなかったのであればお詫びで映画代も飯代も全部出してあげようと心の中で思いながら。
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観終わって思った。
「今年のベスト映画がもう出てしまったかもしれない」と。それぐらいかなり満足のできる出来だった。
これから作品のストーリーに触れるけど、ネタバレはなし。ネタバレあり感想はまた違う機会で書けたら書こうかな。
トレーラーから分かるような範囲で書こうと思ったが、むしろトレーラーは観ない方がいい、結構美味しいとこ出ちゃってるので。予告編で気になったとは言ったものの、どんな登場人物が居たかとかかなり都合良く忘れていて良かったと今となっては思う。ありがとう記憶のキャパ。
ネタバレなしとは言ったものの、やはり感想には見えない熱量が存在するため、もしかしたらダダ漏れ、もしくはやたらカンの良い人が読み取ってしまう可能性があるがその辺はご了承いただきたい。面白かったから伝えたいんだ!いや、まだ見ていないあなたが悪い!
舞台は80年代香港、九龍城砦
この時点で最高、よだれが出る。
特に日本人は九龍城砦が好きすぎる。なぜならそこにはロマンがあるから。
香港の歴史的に見ても異彩を放っていた城塞であり巨大なスラム街。「一度入ったら出てこれない魔窟」とも言われ、イギリス、中国、香港政府、どの国の法も及ばない不管理地帯で「触れられたくないタブー」な区域。だからこそロマンが詰まりまくっている。
本作ではそんな九龍城砦を10億円かけた大掛かりなセットで作りあげておりリアルな城砦がそこにはある。そして魔窟とも言われた「九龍城砦で生きてきた人のリアルな暮らし」というのがこの作品のテーマの1つ。
魅力あふれる登場人物たち
貧民、訳ありや黒社会が集まって生活していた九龍城砦。そこへ黒社会に騙されて逃げ込んで来たのが本作の主人公 陳洛軍(チャン・ロッグワン)
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彼が導かれるように逃げ込んで来たことにより、九龍城砦は彼を中心に大きな動きが起こってしまう。
かなり無愛想なキャラクターだったけど、徐々に心を開いていくあたりからこの作品の面白さのツボにハマっていくような感じがした。
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そしてチャンが九龍城砦で出会っていく人々たち。
予想していた裏社会的な要素は思ってたより弱めだったかもしれないが、とにかく「友情・仁義」がたまらない。少年漫画のようなアツさ。
登場人物について語ろうもんならもうそのままネタバレする勢いになってしまうので控えるが、敵も味方もみんなとにかくかっこいい!とあるキャラは特に大好きになった!
てんこ盛りのアクション
アクションに関しても間違いない作品。
九龍城砦という多様な違法建築物がある舞台で主に高低をうまく使ったアクションはかなり見ごたえがあった。ワイヤーアクションも多数あり、爽快感もたまらなかった。出演者のほとんどが幼いころから武術の経験があり、アクションの良さに繋がっている。やっぱり本場は違う。
最強の敵をどう倒すのか、是非見届けてほしい。
カンフー映画好きにはおなじみレジェンド サモ・ハン・キンポーも出演。前フリがあってのとある演出は観ている全員同じことを思ったはず。
とにかく見ろ、そして熱くなれ
日本では1月17日の公開であったが、上映館はそれほど多くなくあまり力入れてないように思えたが、現在ジワジワと増えていってる模様。ネットでもかなり評判良く、リピーターもかなり多いらしい。2回目も間違いなく観に行くと思う。吹き替え版とかあればそれもまた面白そうではある。
観に行った日に面白かったのでパンフレットを購入しようと思ったら既に売り切れで翌日入荷情報を聞きつけ、新宿バルト9で購入した。
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久々に香港アクション映画を劇場で見たし、なんなら最高の出来だったので色んな人にオススメしたい1本。予備知識も全くいらない「御託はいいからさっさと観に行け!」という作品だった。
観た後は腹が減るので近くで中華を事前に探しておくのがいいかも。
ちなみに一緒に見た友人とはご飯割り勘だった。
面白かったみたいでなにより。