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テレワークと労働時間管理|気ままに労働雑感

民間調査機関の(株)東京商工リサ―チが実施した「在宅勤務に関するアンケート」で、新型コロナウイルスの感染者が増加した7月以降に新たに在宅勤務を導入した企業割合が0.9%に留まることが分かりました。
以前から在宅勤務を認めていた企業を合わせた導入割合は、大企業が36.5%なのに対して中小企業は19.5%と、規模によって格差が生じています。

通勤時間が発生しない在宅勤務は、感染防止のみならず、仕事と家庭の両立を図る観点からもメリットがある制度です。一方で、厳密に労働時間を把握することが困難だったり、中抜け時間が細切れに発生したりするなど、労働時間管理面の課題が少なくありません。

そこで、厚生労働省では現在、有識者で構成する研究会において、テレワーク(在宅勤務)導入時に適用する労働時間制度のあり方などを検討しています。
研究会では、業務遂行の方法や時間配分に関する使用者の指示を受けて働き、かつ事業場における労働とテレワークが混在している働き方について、労働者が希望に応じた柔軟な働き方を選択できるよう、フレックスタイム制の柔軟化や、テレワークに対応したみなし労働時間制度の導入などについて議論しています。

現行のフレックスタイム制は、1週間のうち一部の曜日のみ適用するという運用ができません。
そこで、研究会の事務局では、フレックスタイムの柔軟化の例として、出勤時には通常の労働時間管理、テレワーク時にはフレックスタイム制を適用できる制度を設ける案や、例外的に使用者が始業・終業時刻を指定できる日(「コアデイ」)を設ける案を示しています。
出勤日は通常労働時間管理としたうえで、在宅勤務日は労使合意で決めた時間を労働したものとみなす「みなし労働時間制」を導入する案も例示されました。

研究会のメンバーからは、みなし労働時間制の導入を支持する意見があった一方、長時間労働・過重労働の懸念から反対する声も聞かれました。
仮にみなし労働時間制を導入した場合、みなされた労働時間内で対応できない量の業務を使用者が指示すれば、長時間労働につながりかねません。
このような制度の濫用を防止する対策を講じないまま、みなし労働時間制を導入するのは難しいでしょう。みなさんはどう思われますか。

労働新聞編集長

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