大量国債発動で日本はデフォルトするか?|迷想日誌
日本を含め世界主要国では、今度の新型コロナウイルス対策に自国GDP比で過去最大級の財政支出を行って、世界恐慌以来の経済的ダメージを極力最小化しようとしています。
日本では、第一弾として25兆円ほどの赤字国債と建設国債を発行し、主に日銀に買わせることとしました。
ここで多くの方が不安に思われることがあります。
赤字国債を乱発して、将来的に金利上昇、円暴落で、日本が債務不履行(デフォルト)に陥らないかということです。
麻生財務大臣は、先日の記者会見で、「2025年のプライマリーバランス黒字化の目標は維持する」と驚きの発言をしていましたが、これはまさに日本がデフォルトする可能性が高まるという懸念から発せられた見解です。
しかし、そもそも日本はデフォルトしないことは明確です。財務省自ら次のように述べているからです。
「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」。
これは、「外国格付け会社」にあてた意見書として、財務省ホームページにはっきり明記されていることです。
なぜ、デフォルトしないかといえば、ごく簡単です。政府は、いつでも円を供給できるからです。
供給といっても、物理的に札を印刷するのではなく、電子的に書き込めば済んでしまいます。
電子的に金額を書き込んだ瞬間に円が創造されます。このため、自国通貨建て国債のデフォルトはあり得ません。
国家財政と一般家庭の「家計簿」と同一視してはならないところです。家庭では円の創造はできません。
その前に、日本は1100兆円の世界最大の財政赤字国といわれていますが、これも眉唾です。
バランスシートでみると、どちらかといえば優良国です。実は、日本は世界一の債権国です。
市場リスクが高まると、世界の投資ファンドが安定の日本円買いに走るのがその証拠です。
結論として、今回の世界恐慌以来のダメージに瀕し、日本は25兆円どころではなく100兆円程度の財政支出をしても問題ないといわれています。
アメリカなどは、今後も際限なく財政出動をして経済維持を図ってくるはずです。
日本は、このまま支出を躊躇していると、いつかの二の舞となります。
日本だけ「失われた40年」が完成しないことを望みます。
そのために、プライマリーバランス目標は一旦棚上げする必要があります。
労働新聞編集長 箱田 尊文
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