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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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#建設業

熱中症防止に積極的な取組みを|気ままに労働雑感

厚生労働省はこのほど、2021年における職場での熱中症発生状況(確定値)を取りまとめ、死亡者数が20人、死傷者数が561人に上ったことを明らかにしました。 死亡事案をみると、日頃から暑さ指数(WBGT値)を測定していないケースがめだちます。 例年7月以降に急増する熱中症の防止に向けて、職場におけるWBGT値の把握と、基準値を超えた場合の適切な対策が欠かせないでしょう。 厚労省の取りまとめによると、熱中症は建設業や製造業を中心に発生しています。 死亡災害20件をみると、日頃か

偽装一人親方の撲滅を|気ままに労働雑感

建設業における時間外労働の罰則付き上限規制の施行まで2年余りとなるなか、国土交通省において、社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂に取り組んでいます。「偽装一人親方」問題への対処が目的です。 個人事業主である一人親方は法令上、発注者側には社会保険に加入させる義務がないうえ、働き方改革関連法に基づく年次有給休暇の取得義務や、時間外労働の罰則付き上限規制が適用されません。 そのため、一部の建設企業では規制逃れを目的として、労働者である技能者を一人親方にする「偽装一人親

安全対策強化し年末の災害防止を|気ままに労働雑感

昨年に引き続きコロナ禍のもとで企業活動が行われてきた令和3年も、残り3週間余りとなりました。 今年は全国で死傷労働災害が増えているため、慌ただしさが増す年末には、各社における一層の安全対策の強化が求められます。 厚生労働省がまとめた令和3年における労働災害発生状況(11月速報値)をみると、死亡者数は前年同期比28人(4.8%)増の613人となっていて、休業4日以上の死傷者数は同1万8,537人(20.1%)増の11万910人と大幅に増えています。 死傷者数は、製造業や建設