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熱中症防止に積極的な取組みを|気ままに労働雑感

厚生労働省はこのほど、2021年における職場での熱中症発生状況(確定値)を取りまとめ、死亡者数が20人、死傷者数が561人に上ったことを明らかにしました。
死亡事案をみると、日頃から暑さ指数(WBGT値)を測定していないケースがめだちます。
例年7月以降に急増する熱中症の防止に向けて、職場におけるWBGT値の把握と、基準値を超えた場合の適切な対策が欠かせないでしょう。

厚労省の取りまとめによると、熱中症は建設業や製造業を中心に発生しています。
死亡災害20件をみると、日頃からWBGT値の実測を行っていたケースは5件に留まっています。
さらに、入職後間もない時期に発生しているのが8件あったほか、4日以上の連休明けの発生が1件と、体が暑さに慣れること(暑熱順化)の不足が疑われるケースがめだっています。

一方、死傷災害は、屋外だけでなく屋内作業でも多発しています。
屋内で発生しているのは熱中症全体の約2割で、製造業では46%に達します。

厚生労働省では現在、今年9月までを対象に「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開しており、各事業場に対してWBGT値の把握や、WBGT値に基づく作業環境管理と作業管理の実施を求めています。
暑さに慣れていない新規採用者については、他の労働者と同じような暑熱作業を行わせないよう、計画的な暑熱順化プログラムを組むなどの工夫も促しています。
暑熱順化が不十分な場合には、単独作業を控えて休憩時間を長めに設定するなどの配慮が必要としています。

事業場においては、熱中症が急増する7月を迎える前に、厚労省が作成しているチェックリストなどを活用し、積極的に対策を進めてほしいと思います。

労働新聞編集長 金井 朗仁

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