「僕」じゃない(2/2) 物語#5
前回のお話
4月8日(木曜日)?
昨日寝た公園で目が覚めた。何気に変なことが起こってから元の場所で目が覚めるのは初めてだ。
ただまぁまたしてもどこからかコンビニの菓子パンは湧いてくるようで…
誰かが俺をホームレスだと思ってくれてるのか?
いやまぁ今はホームレスだけどね…
とにかく今日も北を目指して歩く。
というか自販機とかで飲み物買ったりしてるからそろそろお金が底を尽きそう。
どこかあまり情報がまわってない地方とか村を探してそこに住み着こうかな…
まぁ東北の方にはあるだろう。そこで誰かに養ってもらおう。
道中で長〜い橋があった。そこを渡っていってる途中、まさかの事態。
検問が張られている。
(なぜだ…?もしかして福島にいるという目撃情報でも入ったのか…?いや、そんな深く考えるな。多分明日にはあの検問もなくなってるだろ)
根拠にない自信を信じて公園に戻り、時間を潰した。
3時頃、小学生たちが公園に遊びに来た。
そこで皆で集まってゲームをしていた。
なにかこう…時代を感じる風景だった。それでも楽しそうにゲームをする姿にほっこりしていると、なにかこれまでの疲労がどっときた。
多分これまで緊張状態だったから身が休まってなかったのだろう。
(とりあえず…横に…なって…休…)
4月9日(金曜日)?
気がつくと…そこは留置場だった。
警察(?)「お、目が覚めやがったか。全く、昨日は散々暴れ散らかしてくれたなぁ?」
俺「何のことだ?」
「あぁ?忘れたとは言わせねぇ…ぞ…お前、そんな顔つきだったか?」
「それより、俺は何もしてない!すべて嘘だ!
冤罪だ!」
「…いや、お前の家から殺害に使われたと思われる拳銃が見つかってる。やったのはお前で間違いないはずだ。まぁ、裁判の結果次第だ。」
そう言い残すと他の警官と入れ替わって出ていった。
(クソッ聞く耳も持たねぇ。)
そしてふとカレンダーに目をやる。
そこであることに気づく。
(今日が…5月9日…?見間違いじゃ!ない…ならどうしてだ…?)
5月10日(月曜日)
次の日、早々に裁判が行われた。
そこで弁護士として出てきたのは…
昨日の警官だった。いや、正確には自分が警官と勘違いしていただけだった。
そこである事実を言い渡される。
弁護士「昨日、発覚したことがあります。彼は解離性同一性障害、いわゆる二重人格です。
この前留置場に入れられる時の顔つきがこの写真、そしてこっちが入れられた後の写真です。
明らかに顔つきが違う。
そして留置場に入れた直後の尋問で彼は『俺がすべてやった』と言っていたのに対して、昨日は『俺は冤罪だ!』という主張に一変しました。
これらの理由から彼は解離性同一性障害です。
よって、彼に責任能力は無いので"無罪"です。」
この言葉に場内は静まりかえった。
検察側もこれに反論できないのか、無言だった。
裁判官「えー、斎藤〇〇は解離性同一性障害に
より、責任能力がない。これらの理由から彼は
無罪という判決を下します。」
無事裁判は終わり、結果は理由も分からなかったが、俺は無罪ということになったらしい。
弁護士はいつ頼んだのか分からない。多分もう一人の俺?が読んだのだろう。何故弁護士を呼んだかは「俺」しか知らない。暴力団の総長を殺した理由も、拳銃の出どころも、全部「俺」しか知らない。
その後タクシーで家に帰った。お代は弁護士さんが出してくれた。
にしてもなんでもう一人の俺が生まれたのだろう。これまでだってこんなこと一回もなかった。
いや…深く考えないでおこう。
家に帰ったあとスマホを確認すると、会社からクビのメールが届いていた。そりゃそうだろうな。
とにかくこれからは社会復帰を目指して、
この二重人格を治していこうと思う。
いや、これは「治す」じゃないな…
一種の殺人とでも呼ぶべきか?
あとがき
う〜んやっぱり結末がちょっとダメだなぁ。
駄作と言わざるを得ない…長〜く書いただけになってしまった。
でも筋書き自体は悪くなかったと思う。
多分いつか書き直せばめっちゃ良くなる題材ではある気がする。
とにかく今はこれが限界かな〜…