見出し画像

2022J1第25節 横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ プレビュー 〜Teams on the Edge~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
パイセン、公式戦3連敗です。

赤松:
正念場だね。

青人:
はい、、ビッグマッチの川崎戦は劇的な幕切れで敗戦。
ルヴァンはホームで広島に敗れて敗退。
辛い1週間でした。

赤松:
川崎戦の試合直後はさすがに感情的になったな、、あれは悔しかった。

青人:
引き分けでOKだったのが負けちゃいましたもんね。

赤松:
うーん、最後まで選手は勝ちに、点を取りに行ってたからな。
特に最終盤は、ああいうことが起こり得る試合展開ではあった。

青人:
試合としてはかなりレベル高くて面白かっただけに、なんとか勝ち点を持って帰りたかったですけどね。

赤松:
それができれば一番良かったのはたしか。
でもまあ起きてしまったことは取り返しつかないからなぁ。

青人:
ですね。ルヴァンのホーム広島戦はどうでした?

赤松:
開始早々の失点と角田の退場によって、本来やりたいことを遂行するのが難しくなってしまったのはあるよね。

青人:
うーん、個人的には、ルヴァン捨てに行ったのかなって思っちゃいました。そこが結構残念で。

赤松:
そうかな?一概にそうとは言えないんじゃないかな。

青人:
だって、Bチームでやったじゃないですか?

赤松:
前にも言った気がするけど、それはサポーターが勝手に序列を決めているだけで、ケヴィンや現場の評価は違うかもしれないよね。というか、たぶん違うよね。

青人:
でも、岩田や喜田をベンチ外、エウベルをベンチスタート、リーグ戦ではベンチにも入っていない海夏を起用しているんですよ?

赤松:
そもそもベンチ入りできるメンバーには限りがあって、しかも連戦だから数試合スパンを見据えた負荷調整は必ずしなければならない。これは手を抜くとか、直近の試合を捨てるとかそういう問題じゃない。

青人:
そうなんですけど、普通こんなに変えます?

赤松:
そこはマリノスの強さでもあると思うよ。
広島なんかそうだけど、替えが利かない選手ってのはどこのチームにもいて、そういう選手は連戦を戦い続けなければならない。だけどマリノスの場合は、誰が出てもサッカーが成立するし、うまく負荷分散しながら戦ってきている。それはリーグでも指折りの層の厚さがあるからだよね。

青人:
まあ、逆にマリノスだからできることでもあるのか、、

赤松:
そう。数試合トータルで見たときのパフォーマンスにも注目すべきだと思う。

青人:
でも、今回の7月末から8月上旬にかけての5連戦は負け越しが決定してしまいました。これは失敗なのでは?

赤松:
そりゃ結果がついてこないことはあるし、大事なのはパフォーマンスレベルがどう保たれているかだよ。
例えば今回の湘南戦で出る選手がフレッシュな状態でプレーできるか、とかね。

青人:
まあたしかに。そう考えたら楽しみにもなってきました。

赤松:
大事な試合だよね。

青人:
難攻不落のホームゲームですから!



【最近の湘南ベルマーレ】


青人:
湘南は現在14位です。

赤松:
まあ総じて厳しいシーズンではあるわな。

青人:
先週の札幌戦はホームで1-5で敗戦。厳しいですねぇ。

赤松:
ちょっと悲惨だった。

青人:
田中聡が不在でしたね。あと得点源の町野が負傷交代。

赤松:
キーマンがことごとく離脱していく辛さ、、
まあ田中聡は負傷のリリースも出ていないみたいだし、もしかしたらこのマリノス戦では戻ってくるかもしれないね。

青人:
まあ代わりに出るのが米本なので、どっちにしろリーグ屈指のボールハンターであることには変わりない、、

赤松:
そうねw
でもこの札幌戦では、田中聡の不在は大きく響いた感じかな。特にボール保持の面で。

青人:
僕がこの試合見てて思ったのは、湘南って意外とボール繋ぎますよね。

赤松:
5月対戦時のプレビューでも言ったけど、今季は結構ポゼッションに取り組んでるのよこのチームは。

青人:
あーたしかに言ってましたね!結果的にマリノス戦で全然やってこなかったけどw

赤松:
そうそうw
とりあえずビルドアップの構造を説明しようか。
そもそも難易度の高いサッカーではあるんだよ。前後分断を引き起こしたところからスピーディ、かつそこに人数をかけて攻めていく。

青人:
湘南のサッカーってわりとスピード命みたいなところはありますよね。

赤松:
そう。特にこのチームのウイングバックはビルドアップに参加するために下がるんだけど、そこから前線の速攻についていく必要があるから、それはそれはものすごい運動量だよ。

青人:
縦幅全部カバーするって感じですね。きついなぁ。

赤松:
これをふまえて、ビルドアップの局面で求められるのは、前に速くて正確なパスを送れる出し手と、高速のポゼッションのなかでボールの出し入れができる受け手の存在。

青人:
出し手には、左CBの杉岡がいるんじゃないですか?

赤松:
お、その通り。左の前進は、杉岡から始まる。今の湘南の強みだね。
あと右はウイングバックの石原かな。
ちょっと左右非対称の構造ではあるんだけど、タスク分解するとシンプルに見えてくるかなと。

青人:
なるほど。でも左から攻めることの方が多いですよね。

赤松:
そうだね。この点、左ウイングバックの高橋諒がわりと肝で、IHとのレーン交換とか相手SBのピン留めとか、立ち位置で相手の守備を攪乱することができる。能力の高い出し手とポジショニングがうまい選手がいるのもあって、左はなかなか機能性が高い。

青人:
あとは瀬川じゃないですか?
中間ポジションで受けるの上手いし、運べるし。

赤松:
そうだね。チームとして左前進が多いのは、無理やりそうしているってよりは、単純に選手のキャラクターによるところが大きいかな。まあ山口監督もそれを念頭に置いた配置で設計しているところはありそう。

青人:
ほう、そういうからくりですか。この夏に阿部、中野を獲得していますが、、

赤松:
特に阿部浩之を獲ったのは、ポゼッションの質の向上とゴール前のクオリティだと思う。
クラブとしては、ある種腹を括った部分があるんじゃないかな。これでいくぞっていうね。

青人:
たしかにそうですね。

赤松:
話がちょっと逸れたな。具体的に直近の札幌戦の話をしようか。

青人:
ええ。

赤松:
この試合で田中聡の不在が響いたのは、このサイドからの前進の際のサポートの部分かなと。田中がアンカーに入るときは、横方向に広範囲に動いてサポートをするんだけど、米本だとこれがなかなかできない。結果的に、杉岡や高橋へのフォローがあまりなくて、手詰まりになっているシーンも散見された。

青人:
たしかにビルドアップあまりうまくいってなかったですもんね。

赤松:
まあ本当にこの札幌戦でしんどかったのは、ボール非保持の方なんだけどね。

青人:
なんかめっちゃ裏取られてませんでした?

赤松:
あれは湘南の仕様というかw
ハイライトでも良いから5月のマリノス戦を見返してみると良いよ。

青人:
たしかに、裏にロングボール蹴って、仲川やロペスのスピードでゴリ押す感じの攻撃が多かった気がします。

赤松:
まさに。湘南はDFラインを高く設定することで、前方向に強く、コンパクトな陣形を保とうとする。

青人:
なるほど、その結果DFラインの裏が空くってことですね?

赤松:
そういうこと。ここはトレードオフだね。

青人:
にしても、あんな簡単に裏を取られて良いんですか?w

赤松:
そう、そこがこの札幌戦の問題点。
それで良いわけがないのよ。

青人:
ですよね!

赤松:
この試合で良くなかったのは、裏抜けのロングボールを自由に蹴らせてしまったこと。
札幌の左CB・高嶺が2トップ脇に鎮座して攻撃の起点となっていたんだけど、前半はここにプレッシャーが全くかからなかった。

青人:
出し手にきちんとプレスをかけられれば、ハイラインの弱点は顕在化しないってことですか?

赤松:
そうそう!
後半、池田に替えてタリクを入れたとこから高嶺を捕まえるようになって、ようやく収拾がついた感じだったかな。このあたりの文脈は、試合後コメントで山口監督がものすごーーく反省してるw
「自分の伝え方が悪かった」みたいな。

青人:
じゃあマリノスもこの弱点を、、!

赤松:
いやーさすがに修正してくるよ。舐めすぎだw

青人:
ダメかぁ、、



【試合展開の予想】


青人:
この試合のポイントはどんな感じですか?

赤松:
まずは負傷した町野に代わって誰を起用してくるかってところ。

青人:
こないだの札幌戦では大橋が起用されてました。

赤松:
そうね。でもこの試合はウェリントンで来るんじゃないかな。
直近のエリートリーグも出てたみたいだし。

青人:
キープ力ですか?ほしいのは。

赤松:
そう!陣地回復は必ずしたいはずで、そう考えるとウェリントンは適任かなと。特にマリノス戦だと、下で無理して繋ぐよりも、シンプルにウェリントンめがけたロングボールを放って盤面をひっくり返す方が、湘南的には陣地回復が容易だから。

青人:
たしかにそうですね。
マリノスとしては、前回対戦時と同様に湘南のDFライン裏のスペースを狙っていく感じでしょうか

赤松:
うん、基本的にはそれで問題ないよ。
だから仲川とロペスのセットでガンガン裏を突いていく形になるね。必然的に試合のテンポは上がるはず。

青人:
じゃあ、マリノスとしては戦いやすい相手ってことに?

赤松:
基本的にはそうなるんじゃないかなぁ。
鹿島戦以降、エウベル&水沼セットじゃなくて、右に仲川を置いてることが、ここで効いてきそう。

青人:
と、言いますと?

赤松:
状況によって、速攻と遅攻のどっちもできるセットってことだね。速攻に付き合ってくれる相手なら仲川とロペスを活かした速攻で押し切る。遅攻であれば、左からエウベルのカットインでじわじわ攻める。

青人:
両方使い分けられるってことですね!
たしかにそれは強い!

赤松:
速攻であれば、このリーグで勝てない相手はいないというか、、
逆に目下の課題は、そこに付き合ってくれない相手に対する攻め方。特にエウベルと永戸のリンクを断ち切ってくる相手がここ最近増えてるなかで、ここをどうするかなってところ。

青人:
要は相手の崩し方ですよね。この試合でも顕在化しそうですか?

赤松:
どうかな。だって湘南はさ、わかってるわけじゃん?マリノス相手に速攻許容で行くとどうなるか。前回対戦時も前から来たけど、結局盤面をひっくり返されて4失点したわけだし。果たして同じ轍を踏むのかなぁってのは気になってる。

青人:
何かしら工夫をしてくる可能性が、、?

赤松:
それは絶対してくるよ。彼らも残留争いに身を投じていて、残り10試合でしょ?
目先の勝ち点は是が非でも欲しいはず。

青人:
ですよねぇ。例えばどんな工夫をしてきますかね?

赤松:
いつもより少しDFラインを下げて、5-2-3でコンパクトなミドルブロックを組んでくるとかね。

青人:
いつもは5-3-2ですもんね。どう違うんですか?

赤松:
ポイントは、マリノスに遅攻を強いることと、エウベルを孤立させること。要は、直近数試合で対戦相手がやってきたことの焼き直しかな。
前に3枚が出ることで、エウベルと永戸の距離を遠ざけるやつ。

青人:
なるほど。速攻に付き合ってこないパターンですね?

赤松:
うん。これやられたら、マリノスとしては踏ん張りどころになる。だけど、これって要するに今取り組んでいるが試されるってことになるから、逆に楽しみでもあるんだよね。

青人:
え、良いんですか?それでw

赤松:
結果とか順位とかを度外視しても、このチームの成長を見たい想いが強い。

青人:
すごい入り込んでますね、、

赤松:
そりゃそうでしょ。今季開幕からリーグ戦24試合、これだけ楽しませてくれてるんだもん。
勝とうが負けようが情が湧くだろ普通に。

青人:
たしかに、泣いても笑っても残りリーグは残り10試合で、いよいよクライマックスですからね。

赤松:
そうだよ。己の憂さ晴らしのために見るのも自由だけど、この素晴らしいチームの歩みを最後まで純粋に見守ることがあっても良いんじゃないかな!



To Be Continued・・・

いいなと思ったら応援しよう!