2022J1第22節 サガン鳥栖vs横浜F・マリノス プレビュー 〜Watch Out~
【プロローグ】
青人:
セレッソ戦、痺れましたわ、、
赤松:
すごい試合になったな。
青人:
たぶんこの先、マリノスが優勝することがあったとしたら、間違いなくあそこで粘れたからだって語り継がれるやつだったと思います。
赤松:
そうだね。負けるか引き分けるか、勝ち点は1ptしか変わらないけど、気の持ちようが全然違う。
青人:
ですよね!だからこそ、次が大事だと思うわけです。
次勝たないと、セレッソ戦でなんとかドローに持ち込んだ意味がなくなってしまう。だから、ここ勝ってこそなとこありません?
赤松:
間違いない。
青人:
めちゃくちゃ大事ですよね。
そんな中で対戦するのがサガン鳥栖です。
最近の成績は、、
えっ!?こんな負けてるんすか??
赤松:
どれどれ、、あれま、公式戦3連敗中か。
青人:
これはもう楽勝で行けるんじゃ、、
赤松:
いやあどうだろ。結構嫌なタイミングで当たると思うよ。
青人:
だって絶不調なんですよね?
赤松:
もう最近の鳥栖はめちゃくちゃだったから。コロナでチーム活動停止になったり、怪我人も出てるし。選手の規律違反問題とかもあったし。
青人:
そういえば、そんなこともありましたね。
赤松:
ところがね、ミッドウィークの天皇杯のメンバー見てると結構戻ってきているんだよ。
青人:
あ、主力がってことですか?
赤松:
そうそう。マリノスが1週間空いているところで鳥栖は中2日。誰がどう見てもマリノス有利に見えるけど、不調のチームって何してくるかわからないし。そもそもどういうメンバーで臨んでくるか読めない部分が大いにあるから、マリノスはスカウティングに苦労しそうだし。
青人:
でも状況的に勝たなきゃダメですよね?
赤松:
もちろん。まあ、甘く見てるとやられるよって感じかなw
青人:
それはそうですね。
【最近のサガン鳥栖】
青人:
最近の鳥栖は不調って話だったんですけど、理由とかあるんですか?
赤松:
そもそも選手の離脱の影響を受けやすいチームであることには言及しておきたいよね。
青人:
離脱の影響を受けやすいチーム、、ですか。
赤松:
そう。元々選手を固定する傾向が強いチームなのよ。だから、人が変わるとアジャストに時間がかかる。やってるサッカーの内容的にも、そうなっちゃうんだよね。しっかりとしたポゼッションがベースにあって、相手の中間ポジション取りながら前進していくっていうね。
青人:
見ていて楽しいサッカーですよね、鳥栖って。
赤松:
そうね。でもその中で、一人ひとりの選手が顔を出すタイミングとかパスのテンポとか、ユニット単位でも阿吽の呼吸めいたものがあって、それは一朝一夕に噛み合うものではない。
青人:
なるほど。だから人が変わることによる影響を受けやすいってことですか。
赤松:
うん。
青人:
そもそもポゼッション志向が強いのは知っているんですが、もう少し詳細に鳥栖のサッカーを知りたいです。
赤松:
根底にあるのは、前後分断を引き起こして速い攻撃を仕掛けること。
①引き込む、②差すっていう2つのフェーズに分かれるんだけど、まず①のフェーズで、自陣深くから選手同士の距離感近く、ポジションチェンジを織り交ぜながらビルドアップする。ここでの特徴は、GK朴一圭ね。マリサポにはお馴染みの。
青人:
パギですね。相変わらずパギしてますか?
赤松:
「パギする」って謎の動詞出てきたけどw
でもなんとなくイメージ共有できるなその言葉。
青人:
ですよねw
赤松:
それで言うと、パギしてるわ。
狙ったところに低弾道のボールを蹴れるGKで、ビルドアップの要だね。
青人:
それはパギしてますねぇw
赤松:
んで、②差すのフェーズでは、主にウイングバックの岩崎をめがけてロングボールを使う。岩崎は、とにかくスピードがある選手で、プレースタイルは昨季の前田大然を想起してもらえれば話は早いかなと。
青人:
わかりやすいですw
すげえ速そう、、
赤松:
速いし、オフザボールの動きを絶やさない選手なのよ。普通、ウイングバックのポジションをやる選手は大外レーンだけを上下することが多いんだけど、彼は違う。斜めに走る。多種多様なフリーランニングを繰り返し行うし、プレスバックもサボらない。自陣でDFライン裏のケアとかもこなすから、それはそれはものすごい運動量だよ。
青人:
一家に一台・岩崎悠人って感じですねw
赤松:
ほんとになw
彼がフリーロールな感じで斜めに裏抜けしたり、足元で受けてサイドアタックに移行する。その時、左のCBに入っているジエゴがものすごい勢いでサポートしつつ攻撃参加もするって感じ。
青人:
てことは、左サイドが鳥栖の攻撃の肝なんですかね?
赤松:
そうだね。右から前進して左で差すイメージかなと。
右にはタメを作れるシャドーの堀米が降りてきて、前進経路を確保するって感じ。
青人:
なるほど。でも、前後分断ってことは、奪われた後は結構ピンチになりやすいんですよね?
赤松:
まさに。ただ、そこは福田と小泉の超人ダブルボランチで広大なスペースをカバーできるからあまり顕在化しない。奪われても回収してもう一度攻撃するっていうサイクルが回っているうちは強いんだよ。
青人:
でも、最近勝てていないんですよね?
赤松:
そう。気になるポイントは2つ。
一つは、相手チームとの兼ね合い。たまたまというか、背後のスペースを消してくる相手との対戦が続いているのもあって、うまく引き込めない試合が続いている。
青人:
前後分断に付き合ってくれないチームに対してはやや分が悪いってことですかね?
赤松:
そういうこと!さっき挙げた岩崎もスペース消されちゃうと良さが出ないし。
直近の試合だと、神戸は4-4-2で構えてきたし、柏も同じような感じ。つい最近負けた天皇杯の甲府もそういう戦い方をしてくるチームだった。逆に3試合前のFC東京は前から奪いに来るチームだったのもあって、前後分断に乗っかってきてくれた。案の定、5得点快勝を飾ってる。
青人:
すげえ露骨ですねw
赤松:
この点、川井監督も課題に感じているのか、チームの幅を持たせなきゃいけないことは自覚しているみたい。アプローチとして、試合途中から垣田と宮代を同時起用してゴール前を厚くしてみたりとか、試行錯誤してるね。
青人:
引いた相手を崩す。ここはどのチームも課題なんですね。
赤松:
永遠のテーマだね。
もう一つのポイントは、小泉・福田がそろわなかったこと。セカンドボールの回収合戦においてこの二人は肝だった。福田が数試合出られていなかったのもあって、やはり相手のカウンターに対する部分で不安要素は露呈した印象。
青人:
でも、マリノス戦で福田帰ってくるんですよね?
赤松:
そうw
だから鳥栖からボールを奪った瞬間の立ち回りは工夫が必要だね。
青人:
めっちゃ運動量あってボール回収するんですよね、、
なんとか突破しなきゃいけない!
【試合展開の予想】
青人:
さて、マリノスはどうしますかね?
赤松:
鳥栖のビルドアップに対する振る舞いで言うと、とりあえずプレスをかけますよと。これはマリノスの前提。直近で神戸が柏が甲府がブロックを敷いてスペースを消す戦い方がハマっていたとしても、マリノスはそれはしない。真っ向勝負を挑むよきっと。
青人:
そう聞くとすごいことしてますね、我が軍w
赤松:
信念ですから。
んで、その場合にどうするかってとこ。一つポイントとして挙げられるのは、GK朴一圭にいかにアタックするか。
青人:
フリーにしたら蹴られて盤面をひっくり返されてしまうからですよね。前回セレッソ戦のときにキムジンヒョンに対してやったのと同じってことですか?
赤松:
まさに!他の試合見てても、朴一圭にプレッシャーをかけられると思うように前進できないことが多い。
青人:
じゃあそこ大事ですね。
赤松:
うん。朴一圭にプレッシャーをかけることで、精度の低いふんわりロングボールを蹴らせることが大事。ここは1stステップで、これができなきゃこの試合はたぶん勝てない。
青人:
またレオセアラに頑張ってもらうことになるんですかね?
赤松:
そうだね。ここでロングボールを蹴らせて回収できればかなり楽になる。
ただ、一つ懸念はある。
青人:
なんですか?
赤松:
スタメンかどうかはさておき、どこかの時間帯で垣田と宮代を同時起用してきた場合。アバウトなロングボールを蹴らせても前線でキープされてしまう可能性がある。すると、プレスが空転して結果的に前後分断を招き、一気に攻め込まれるかもしれない。
青人:
わお、それは怖い、、
赤松:
ここは川井監督がこのマリノス戦でどこを勝負どころに設定してくるかによる。僕は、マリノスが宮市・仲川セットに入れ替えてオープン許容で攻める後半にこれをやってくるんじゃないかと思っている。
青人:
死なばもろともですな、、
そもそもマリノスはこの試合もエウベル・水沼をスタメン起用するんですかね?
赤松:
そんな気がする。ビルドアップとの兼ね合いで。
青人:
あ、マリノスのビルドアップですね。
赤松:
というか、鳥栖のプレッシングがアレだから。
青人:
アレ、、?
赤松:
オールコートマンツー!w
青人:
でたー!心臓に悪いやつ!!
赤松:
今回もそれと向き合う回になるよ。
青人:
鳥栖もアレやってくるんですね。最近多いですね。ちょっと前まで札幌だけだったのに。
赤松:
たしかにな。まあ例によってオールコートマンツーで、相手GKにはアタックしてこないタイプなのよ。だから、マリノスは広島戦同様にレオ、西村への長いボールを活用しながら前進していくことになる。
青人:
祈るしかないやつだ、、
赤松:
でも鳥栖の守備陣は広島ほど凶暴ではないから、もう少し収められる機会は多くなるはず。そこで起点を作って押し込んでいきたいかな。
青人:
てことは、広島戦よりはもう少しチャンスもできそうですかね。
赤松:
たぶんね。押し込んだ後は、人に付きやすい鳥栖の特徴を逆手にとって裏を取りたい。このチームってかなり目の前の相手に食いつく傾向が強くて、その反面、相手のポジションチェンジに対して後手を踏むことがある。特に、サイドバックやボランチの裏抜けにはかなり手を焼くんだよ。
青人:
マリノスが得意とするところですね。
小池龍太や岩田智輝の飛び出しが刺さりそう。
赤松:
そうだね。とりわけ左CBのジエゴは、相手の旋回に対して、人に付くのか裏のスペースを埋めるのかを迷った挙句、無気力守備に終始することが散見される。前節・柏戦の決勝点はまさにそこを突かれた失点だった。マリノスから見た右サイドの裏はどんどん狙っていきたいかな。
青人:
なるほどです。
赤松:
そのためにも、全体を押し上げる時間が必要なのよ。仮にレオのところでキープできたとして、そのままウイングに預けて速攻じゃなくて、サイドバックやボランチが裏抜けする時間を作りたい。これをやってくれるのがエウベル。だからこそ、今回もエウベルはスタメンで使うんじゃないかと僕は予想している。
青人:
最近の宮市の左ウイングはかなり良いですけどね。
赤松:
もちろん。ただ、現状のマリノスの左にはエウベルがいた方が助かる部分が大きい。宮市は途中から出ても活躍できているし、この試合も必ず出番はありそうだから頑張ってほしいね。
青人:
そうですね!
赤松:
あとは両指揮官が何を準備してくるか。マリノスは、1週間インターバルがあった中で、何か新しいユニットを試してくるのかどうか。怪我人がだいぶ戻ってくるのもあるしね。
青人:
特にロペスが本格復帰するなかでどうするかですよね。スタメンで使うのかもしれないし、また右ウイング起用するかもしれないし、、
赤松:
ここは、「自分たちがどうしたいか」って視点じゃなくて、「鳥栖がこうだから自分たちはこうする」って視点で見るといいと思うよ。相手を無視して選手起用することは、特に今の体制では起こり得ないから。
青人:
ついついそうなっちゃいますねw
赤松:
だからやっぱり鳥栖が今のマリノス相手にどう戦ってくるかが大事。
前提として、多少ピーキーだけど明確なスタイルを持っているチーム。それがリーグ戦連敗続きで、かつ下位カテゴリのチームに負けて天皇杯敗退というショッキングな出来事が続いているわけだし。絶対に勝たなきゃいけない試合でマリノス相手に何をしてくるかには注目したい。
青人:
両指揮官の頭脳戦ですね。楽しみです。
赤松:
楽しんで、きっちり勝とう!
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To Be Continued・・・