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2022J1第30節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 プレビュー 〜Chance favors the prepared mind~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
京都戦、苦しかったですね、、

赤松:
かなりな。よく頑張ったし、よく勝てたよ。
京都は普通に強かった。

青人:
すごく攻撃的でしたよね。
とても残留争いしてるチームとは思えない、、

赤松:
そこは曹貴裁も試合後に言ってた。
残留争いに身を投じるこの時期でもここまで攻撃的にやれるチームは今までなかったって。

青人:
ほんとそうだと思いますよ、、
てか、パイセンは前半20分までが辛抱みたいなこと言ってたじゃないですか?

赤松:
ああ、言ったね。

青人:
むしろ後半めちゃくちゃ怖かったんですけど!!

赤松:
まあまあw

青人:
外れとるやんけクソジジイ!って思いました。

赤松:
おいどこぞの関西の下品な大学生とOBが顔出してんぞ。

(参考)

青人:
すいません、、こないだ京都遠征ついでに彼らと飲んだからつい、、

赤松:
会って早々、道頓堀から飛び降りるぞとか言い出すからほんとにヤバい奴らだと思ったよな。

青人:
しかもいきなりテキーラですからねぇ、、
ほんとロクでもないクソジジイだ。

赤松:
でもあのクソジジイ、たまにもの寂しそうな目でこっち見てくるから憎めないんだよ。

青人:
わかりますw
しかも我々に会えて心の底から嬉しそうでしたね。
って、そんな話はどうでもいいんですよ。

赤松:
あー、京都戦だっけ?

青人:
ええ。特に後半がすごくしんどそうに見えました。

赤松:
捨て身の攻撃をモロに受けてしまったからね。
今までならそれを利用して背後を突けていたけど、宮市負傷後はそれができなくてかなりしんどい。

青人:
ウイングのキャラ変ってやつですね、、

赤松:
そう。でも試行錯誤はしてる。
例えばこの試合でやってたのは、クロージングとして海夏を左ウイングに置くことで時間を作るとかね。
アディショナルタイムとか、意外とピンチ少なかったでしょ?

青人:
ああ、言われてみればたしかに、、

赤松:
起用できる選手の特性を活かしてゲームプランを構築し、遂行する。そのための準備もする。

青人:
ここでいう準備とは?

赤松:
ビルドアップ時の立ち位置とか、あとは例えばセットプレーとか。
最近少しずつセットプレーからゴールも生まれつつあるけど、かなり練習して仕込んでいるなと感じるよ。
全ては、然るべき時間に点を取るために。

青人:
この試合もエドゥアルドのヘッドで先制できたの大きかったですよね!

赤松:
もうめちゃくちゃ大きいよあれは!
勝つ確率を高めるためにゲームプランという筋書きがあって、その筋書きにストーリーを合わせるために準備をする。

青人:
なるほど。

赤松:
京都戦に勝てたのは、運良く先制できたという偶発的な側面ももちろん要因としてあるけど、それがある意味必然的に起きた部分も大いにある。

青人:
自分たちが起こしたい状況が起きる確率を上げる、みたいなイメージですね?

赤松:
そういうこと。

青人:
まあ、これで3連勝ですからね。
このまま行きたいところ、、

赤松:
そうだ、あと一つだけ付け加えておきたいんだわ。

青人:
なんですか?

赤松:
直近3試合の対戦相手に共通すること、そしてこの次の札幌にもおそらく共通することについて。

青人:
ほうほう、、

赤松:
それは、自分たちのサッカーを基本的に貫いてくる相手だってこと。

青人:
えーーっと、、
裏を返せば、マリノス戦仕様にやり方を変えてこないってことですかね?

赤松:
ベースはね。もちろんスコア展開によって後半途中から変えてくることはあるけど、ある程度貫いてくる相手だった。

青人:
そうでしたっけ、、?

赤松:
60分くらいまで足元で繋ぐことにこだわった湘南、
リードされても守備ブロックを上げなかった福岡、
カウンターを喰らってもラインを高く保った京都。
全部、貫くことがベースにあるチームなんだよ。

青人:
あー、たしかにそうかもです。

赤松:
んで、今度の札幌もそういう志向性のチーム。
さっきのゲームプランの話で言うと、マリノスとしては、あらかじめ想定した出方をしてくれるから、筋書きに乗せやすいゲームだった。

青人:
なるほど。そういう意味でやりやすいチームとの対戦が続いたってことですね?

赤松:
そうなんだよ。
もちろんこういうチームに対してしっかり筋書きに乗せて勝つことは簡単ではないけど、マリノスも台所事情が厳しい中で助かった部分もあるってことが言いたい。

青人:
じゃあそう考えると次の札幌も同様に、ある種のやりやすさはあるってことですね?

赤松:
まあ、このリーグでも指折りのわかりやすいチームだから。

青人:
わかりやすいけど、毎度苦しむし、終わった後は見てる方も疲労困憊に、、

赤松:
必然だねw



【最近の北海道コンサドーレ札幌】


青人:
それを踏まえて、最近の札幌はどうですか?

赤松:
まあ勝ったり負けたりだね。

青人:
なるほど。なんか傾向とかあるんですか?

赤松:
個人的には、出どころを押さえられるか否かでかなりチームのパフォーマンスレベルに差があるように感じる。

青人:
出どころ、、要はパスの出し手ってことですかね?

赤松:
そうそう。もうだいぶお馴染みになりつつあるけど、そもそも札幌のサッカーっていうのは、相手を引き込んで前後分断の速攻。後ろでゆっくり回しているかと思いきや、次の瞬間にはロングボールを蹴って、速い攻撃を仕掛ける。

青人:
前線の選手も個性豊かですよね。
ルーカスや金子にはドリブル突破があって、シャビエルにはテクニックがあって。

赤松:
うん、スペースがある状態でこそ彼らの個性が発揮されやすくなる構造になってるんだよ。

青人:
なんとなくそんなイメージあります。

赤松:
そこで大事なのが、パスの出どころ。
具体的に言うと、福森と高嶺の左サイドコンビ。
左サイドにロングパスの名手を2人置いてるところが札幌のポイントだと思っていて。

青人:
相手からすると、的を絞りづらいみたいなことですか?

赤松:
まさに。ビルドアップ時の札幌は、最終ラインに高嶺が落ちて、4バックを形成する。で、基本的には左前進だね。

青人:
まあキック上手い選手の方に寄りますよねそりゃ。

赤松:
相手からしたら、高嶺と福森のどっちも押さえないといけないし、無理して押さえに行くと、局面をひっくり返されて一気にゴールまで迫られる。

青人:
なんというジレンマだ、、

赤松:
まあでも結局、多少のリスクは許容しつつもこの2枚を押さえてくる相手に苦戦する傾向はあるのかなと。
例えば前節の磐田や少し前の湘南は、ここを捕まえられなくて見事に爆死してた。

青人:
どちらも大敗でしたね。
そういうことだったか、、
あと札幌と言えばプレッシングじゃないですか?

赤松:
そうね。

青人:
幾多のトラウマを我々に植え付けたアレですよ、、
いまだにご健在ですか?w

赤松:
オールコートマンツーなw
うん、ご健在ではあるけど、多少構造を変えているかなと。

青人:
ほう、、

赤松:
アレには一つポイントがあって、シャドーのうち1枚が、相手のセンターバックとサイドバックの両方を見る必要があったのよ。

青人:
うーーん、、どういうことだろ?

赤松:
シャドーの片割れが、1人で2人の相手をマークする構造になってたって言えばわかりやすいかな?
ひと昔前の話だから詳細は割愛するけど。

青人:
あーはいはいなるほど。

赤松:
今は、相手のサイドバックに対してはウイングバックが出ていくように、わりとマーカーをはっきり決めている印象がある。

青人:
より追い回しやすくなったってことですかね?

赤松:
うーん、でもウイングバックが後ろからサイドバックのところに出て行くのには距離があるし、そこで時間を作られるんだよね。結果的に、対戦相手が比較的ボールを持てるようにはなってるかな。

青人:
なるほど。札幌の試合見てて、以前のような襲い掛かる感じがなかったのはそういうことだったんですかね?

赤松:
自分もなんとなくそう感じて「あれぇ?」ってなって、よく見てみたらそういうことかなと。
まあ、とりあえずこの前提で話していこうか。

青人:
ですね!



【試合展開の予想】


青人:
マリノスとしては絶対に落とせない一戦です!
どんな展開を予想しますか?

赤松:
まずマリノスがボールを持つ時間が長くなるだろうね。ベースは下で繋いで、時折ロングボールを織り交ぜていく。

青人:
やっぱり札幌のプレスをどう掻い潜るかって話になるんですか?

赤松:
まあそうなるんだけど、やっぱりビルドアップの回数を減らすのがマリノスにとっての理想だよね。

青人:
ビルドアップの回数を減らす?

赤松:
今季ずっとやってる、相手を押し込む攻撃をやれると、この試合はマリノスのペースになるんだと思う。札幌の強みが出ないから。

青人:
やれますかね?

赤松:
いや、、スタメン次第だけど、前半からはそうならないんじゃないかと予想してるw

青人:
なぜですか?

赤松:
そもそも札幌の突くべきポイントがDFラインの背後なのは明白だし、スピードで押しきる形でチャンスは作れてしまう。そして、この試合のスタメンはおそらく京都戦同様に、仲川とマルコスが起用されるはずだから。

青人:
あー、サイドバックも松原がスタメンですよね?きっと。

赤松:
そうそう!だから、基本的に速い攻撃になるんだと思う。特にマルコスはワンタッチ、ツータッチでスルーパスを出してかつスピードを持って裏へ飛び出していくから。

青人:
京都戦も速攻メインになってましたもんね。

赤松:
うむ。この札幌戦も「行けるときは行っていい」だと思ってて、裏を突けそうだったらドンドン突いていこうってテーマになるんだよきっと。

青人:
じゃあ押し込み攻撃にはならない、、?

赤松:
速攻がちょっとスローダウンしたタイミングでエウベルに預ければ、多少は全体を押し上げる時間が作れる。そこから最近マリノスが得点パターンにしてる、中央密集パスワークに移行する構図は十分に考えられる。

青人:
まあ速攻と遅攻両面から点が取れますよね!今のマリノスは。

赤松:
そうね、相手からしたらどっちも嫌だと思うw
まあ、攻め込まれるリスクや連戦の疲労を考慮すると、主は押し込み攻撃にしたいんだろうなって想定なんだよね。これはあくまで理想の話。

青人:
マリノスがどっちを志向しているか、何をみればわかりますかね?

赤松:
主に2つ。
まずはスタメンだよ。仲川、マルコスセットだったら、速攻ベースになるはず。
もう一つは、高丘のプレー選択。ロングボールを使って盤面をひっくり返そうとするのか、奪われるリスクはありながらもショートパスを使うのか。

青人:
なるほど、わかりやすい指標ですね。

赤松:
だけど札幌は、1トップの興梠が相手GKまでプレスを追い回すから、その状況で高丘がどうするか。
ベースは下で繋ぐになるんだけどね、たぶん。
まあそこでズレを作りながらじわじわ前進するのか、ロングボールを蹴るのか。

青人:
個人的には蹴るんじゃないかなぁと。
やっぱりリスクは避けたいし、、
とりあえず蹴れば安心じゃないですか。

赤松:
おうおう、なるほどね。
楽しみにしておこう。

青人:
札幌的にはどっちの方が良いんですかね?

赤松:
基本的には下で繋いでくれた方が、自分たちがショートカウンターを仕掛けるチャンスが広がるよね。

青人:
たしかに!そっちの方が札幌が点を取るチャンスは大きくなるのか、、

赤松:
ただし、彼らはマリノス戦仕様のメンバーを組んでくる。例えばだけど、この試合では、シャドーにスピードタイプの小柏を置いてくるかなと。

青人:
いやー、嫌ですねそれ。

赤松:
彼をサイドバック裏に走らせて、そこにロングボールを放り込んでくる。札幌のビルドアップからの前後分断攻撃にしろ、中盤でセカンドボールを拾った後にしろ、とにかくここを突いてくるはず。

青人:
どう防げば良いですかね?

赤松:
ここに出されないために守備陣形を変えよう、とかはしないから、小柏対策ってことで言うと、いかに小柏を押し下げて守備をさせるかが肝だね。そういう意味でも押し込み攻撃がマリノス的には理想なんだよ。

青人:
うわぁ!どうすれば良いんだ、、!

赤松:
って、今頃ケヴィンも頭を掻きむしって悩んでいるんだと思うw

青人:
どんな答えを出すのか、注目ですね!

赤松:
ここから先は本当に一戦必勝の世界になっていくし、判断一つ間違えると致命傷になりかねない。
見る方はもちろん、監督や選手も神経質になるんだろうね。

青人:
たしかに。少しずつゴールが見えてきてますもんね!
この試合、絶対に勝ちたいです!

赤松:
もちろん!今のマリノスならやれる!!



To Be Continued・・・

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