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「インカの黄金」至高のインスト

ボードゲームの体験って、マダミスとは違って何回でもできると思われがちですけど、最初の1回って人生で1度きりしか体験できないですよね。
その1回の体験を台無しにしないように、インストする人は
・説明をとにかく短くする(ゲームの集中力を削がない)
・説明しなくていいことを説明しない(ゲームを通じてプレイヤーが発見すべきことをネタバレしない)
ことに最大限注力しなければなりません。(ボードゲーマーの責務です)

セットアップ完了後

「みんなは異なる派閥の探検家であり、5回しか探検できない遺跡の発掘を通して、最大限の財宝を自分だけが持ち帰ることが目標」
であることを述べ、おもむろに1ラウンド目を表す遺跡をひっくり返し、1枚の遺物をデッキに挿入しシャッフルします。(残り4ラウンド分の遺物がチラっとだけ盤面上に見えているとCoolです。私はよくラウンド表示用の遺跡の後ろにそれぞれ隠します。それは何ですか?と聞いてくる無粋なプレイヤーにはグーパンしましょう!)

これでゲームを始める前に共有しなければならない情報はすべて共有しました。さぁ探検に出発しましょう!

初めて財宝を発見した

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平等に財宝を分けます。
・ここで等分できない財宝は平和的解決として道中に放置すること
・探検を諦め、帰路につく人が全部まとめて拾って帰れること
 └ただし、2人以上で帰るときも同様に仲良く等分すること
を説明し、「続ける/帰る」の投票を行います。

※ずっとトラブルが発生せず、道中に置いてきた財宝の量が一定量を超えたら、トラブルの出現を待たず、いつ探検が終わるのかの話をしても良いでしょう。

・必ず「"せーの!!"でめくりたい教」の信者がでてきますが、このゲームは投票の回数が多くていちいち面倒なので、クライマックスや大事なシーンで盛り上げたい時以外にわざわざ声かけは不要です。みんなのカードが裏側で前に出たことを確認したらしれっと表を見せて「帰る人~?」とスマートに聞きましょう。
・せーの!で表にしてしまうと、帰る人チェックを毎回全員で目視チェックする謎の空白時間が発生しがちなので、そういう事態も永久に回避できます。

初めてトラブルが起きた

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ここにきて初めてリスクの説明をします。
・デッキが15枚の財宝、15枚のトラブル(+遺物)で構成されていること
・トラブルは5種3枚ずつであり、現在はただの予兆であること、同じトラブルカードが2回露見すると今回の探検で獲得できるはずだった財宝をすべて捨てて帰る羽目になることを説明します。
(ここで次にめくったカードで探検が失敗する確率が2/(31-めくったカード)であることを添えると丁寧です)

ゲームを始める前にトラブルカード5種類を全部見せたがる人がいますが「これから探検するぜ!何が起こるんだろう!わくわく!」という初見プレイヤーの期待とプレイ意欲を削ぐ下賤な行為です。大いに反省してください。

初めて遺物を発見した

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「5点の価値がありますが等分できないので、道に置いていきましょう。1人の帰り道なら喧嘩せず拾って帰れます」と説明すれば十分です。
たしかに遺物はゲーム上の大事なファクターなんですが、ここで遺物の説明を長くやりすぎると、たかだか5点なのに初プレイさんがやたら遺物を持って帰りたがる現象が発生します。気を付けましょう。
※新版ではルールがより分かりやすくなっていますがカードに書いてある通りの点数なので説明としてはやはり省略できます。

4,5回目に出土する遺物は10点の価値がありますが、1ゲームで4枚以上の遺物が出土するケースがそもそもレアですし、4枚目がゲーム上に出土した瞬間に「これは10点です!」と説明すればいいです。なぜなら、それ以前の意思決定にほぼ影響しないからですね。
とはいえ盤面の状況によっては、10点の遺物が後々出現するかも!?という情報は時によって重要です。2ラウンド目以降の余裕のあるタイミングで雑談ついでに説明できればgoodです。

まとめ

以上です。必要なのに説明してない要素があればアップデートするので教えてください。
インカの黄金は手軽にできるミニゲームであるべきなのですが、やたら長いインストをかまされると辟易ですよね。

インカの黄金を例に、必要十分なインストラクションとは何かについて考えるきっかけとなれば幸いです。

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