海藻とワタシ01
海藻を研究対象?観察対象にして25年以上経つ。全然興味は無かったし、海も好きでは無かった。1996年に大学に入ったが、当時はやはり環境ブームみたいだった。エコフレンドリーなんて言葉はなかったが、そんな感じ。そして、それにも興味は無かった。陸上の大型哺乳類に興味あったから、家畜とか野生の鹿とかニホンザルの研究しよかな、て思ってた。本当はハイエナとチーターが好きやったけど。
とにかく、海は眼中になかった。が、かわいい子がいたんだね、海洋系の学科に。スッと海洋生物のコースに入ることに。まあ、勉強してるとそれなりに楽しくなってくるので、本なんかも読み漁った。海底地形なんかに興味は出てきたが、やはりみんなが好きな魚やイルカなんかには興味わかなかった。チラッと海藻の進化に興味がわいていたかも知れない。
そのうち海で実習が始まった。生物採集して同定するような実習だった。これまた俺は泳げなかった。かわいい子もいるのに。これはイカンと、鈴鹿にあるホンキのプールが一回450円で使えたので生まれて初めて50mプール(水深2.5m)に入った。泳いでも泳いでも向こう岸に辿り着かない。苦しい。その日は肩を落として帰り、しかし、また翌日プールに向かった。
ロビーみたいなところに水泳の月刊誌みたいのがあり、いかにもな奴が表紙を飾っていた。バラバラめくっていると、クロールの泳ぎ方が説明されていた。フムフム。なるほど。あれ、手足をバタつかせてるだけじゃなかったんや。と、納得。その日、速くはないが、クロールで2km泳いだ。前の日にスポーツ用品店で競泳用水着にゴーグル、キャップを買ったから、そのスポーツマンシップ?が宿ったのかも知らん。とにかく、泳げるようになった。
そして、生物採集臨海実習が始まった。みんなは磯場で楽しそうに巻貝やらカニやらウミウシなんかを触って、集めている。全然楽しくない。泳いでみた。1人で。スィーっと。みんなから離れていき、ゆったりとしたうねりを越えながら、海底の方を覗く。怖い。深い。4mくらいある。青い。そこになにか、ゆらー、ゆらー、っと静かにゆらめくものが。海藻だった。カジメというコンブの仲間の海藻だった。まるで高野山を歩く僧列のようだった。
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