Akihiro Kamiya

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  • 編集部員の気まぐれレビュー

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    学芸出版社の編集部員が、気になった本や映画、展覧会などを気まぐれにレビューします。「これを読め!観よ!」という作品の推薦、いつでもお待ちしております【毎週水曜日更新】

最近の記事

『本は読めないものだから心配するな』

本を読むのが苦手である。 曲がりなりにも編集の仕事をしているにもかかわらずだ。 子どもの頃は図書館の本を読み漁るほどだったが、大学に入り、専門書を手に取ると、そういうわけにはいかなくなった。小説とは違ってすらすらと読めず、理解しないと先に進めないという強迫観念にかられた。 読み終えた本を入力すると「今月は何冊読みました、1日平均〇ページ」と教えてくれるアプリがあるが、専門書には向いていないと思う。一部だけ読めばいいもの、文字ばかりものからほとんど図とキャプションばかりのもの

    • 数学の魅力への扉を開く名作――『数の悪魔』

      先日、物理学者のスティーブン・ホーキング博士が亡くなった。 僕は小学生のとき、ホーキング博士のことを知って、失礼ながら「この人はまだ生きているの?」と親に聞いた記憶がある。 「余命数年」とも言われた病気を抱えているというストーリーを知ってのことでもあったが、それ以上に、歴史に残るような科学者というのは「昔の人」で、同時代に生きている偉大な科学者というイメージがつかなかったからだと思う。 ホーキング博士によって物理学に興味を持った人も多いだろう。 『ホーキング、宇宙を語る』を

      • 読むほどに闇が深まる狂気の漫画――『おやすみプンプン』

        『おやすみプンプン』(小学館)は、ごく普通の少年・小野寺プンプンの成長を描いたストーリーである。 作者の浅野いにおは映画化もされた『ソラニン』で有名だ。浅野いにおの一連の作品は、上京したての「大二病」心をくすぐり、大学時代の僕に良くも悪くも(?)大きな影響を与えた。 ©Shogakukan 大学1年の頃、すし詰めの小田急線で、近くにいた人が読んでいた第1巻が見え、面白そうだと思った。ヒヨコのような姿の主人公に、原色の装丁。 第1巻には、純粋でかわいらしいプンプンの小学生時

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