70s UK Progressive Rock #3 【E・F】
Eddie Jobson - Zinc (1983)
Eddie Jobsonは正に風来坊のようなバイオリン弾きで、若い頃英国のプログレ畑から出てきて次々とあちこちでバイオリンを弾いている美少年と知られている。優れたミュージシャンとして知られているが、一躍その名を有名にしたのはクリムゾンとUK、Roxy Music。そんなエディ・ジョプソンのソロアルバム「Zinc」が1983年になってリリースされている。80年代初頭は割と音楽シーンが入れ替わって、デジタルの波が入って来たから進化がしている点が大きい。エディ・ジョプソンは新しいもの好きで、「Zinc」では打ち込みドラムと打ち込みベースを使っている。当時は最先端の音、今で言う80年代の打ち込みの音で仕上げられているが故に、またエディ・ジョプソンが自身でボーカルをやっているとしても、その歌声があまりにもジョン・アンダーソン的で、ドラム打ち込みの音だからイエスの「90125」と同じような音に聴こえてしまってダメだ。エディ・ジョプソンがどれだけ音楽性が云々と言ってもこれは自分が聴く限りはあのイエスの音。バイオリン弾いてるけどそういう作品ではない。
当時聞いてたらちょっと凝ってて聴かなかったかも、と思う程度に凝ってる所は多い。しかもボーカル好きではないし、やはりダメだ。やってる事はかなりテクニカルで音楽的に凝ってる。これをクリムゾンの連中とやってたらとんでもない破壊力の楽曲になってただろうが、この音ではちょっと無理。何がしたかったアルバムだろうか。
The Enid - In the Region of the Summer Stars (1976)
まだCDがきちんとリリースされるだけで狂喜乱舞できるアイテムが存在している事に驚いた。これだけ散々リリースされ、アルバムによってはリマスターや単なる再リリースしかない中、初めてのCD化がまだまだあると。メジャーな部類に入るバンドでは割と異例だろう。アメリカものではまだあるかもしれないけど、全体的にあまり多くは残っていないだろう。でも、あれだけレコードが出てたから未CD作品で売れなかったのも数えたらあるだろう。
英国の誇る英国らしいサウンドを奏で続けた今では伝統的なバンドとして語り継がれる。多分すごく高尚なサウンドだったから、クラシックかロックかの議論が沸き起こるくらいにクラシックに根付いたサウンドだから当然か。自分はロックとして聴いてます。
その実The Enidの初期二枚の作品は所々の事情によりレコード通りには再発できなかったようで、CDがリリースされる際には新たにオーバーダビングを施した84年バージョンがCDとして存在しており、オリジナルバージョンは今に到るまでレコードでしか聴けなかった。だから今回リリースされるオリジナルバージョンは26年ぶりくらいにリリースされる再発だ。そこでファンの間ではまたウワサが出たものの、遂にオリジナルバージョンのリリースで熱狂的に迎え入れられている。故にアチコチで情報を見る期待のリリースらしい。
1976年にリリースされたThe Enidのファーストアルバム「In the Region of the Summer Stars」。自分はアナログしか持ってないので気にする事なく普通にオリジナルバージョンしか知らなかったが、CDバージョンも聴いてみたいと逆に思った。それでもあまり記憶に残っていない作品だった。多分クラシック色強すぎるのと、全曲インストなので聴き続けられなかった。あまりよく聴く好きなバンドではないのは確か。それは今回改めて聴いても同じ印象。中味は凄く壮大なクラシカル作品をこれでもかとばかりに繰り広げている起伏のある旋律が次々と飛び出してくる音楽的な作品。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪