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70s UK Progressive Rock #2 【C・D】

Catapilla - Catapilla (1971)

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 入手した頃心地良くてひたすら聴いていたアルバムが「キャタピラ」。マイナーなので何十年も聴き続けるにはならなかったB級バンドですが、久々に聴くともの凄く心地良い。アルバム二枚出して消えるけど、二枚ともカラーが違う作品でユニーク。今回はそのファーストアルバムの方です。

 アルバム全曲で4曲だし、アナログ時代ではA面3曲B面1曲。そのA面の1曲目も15分半あるから楽しい。その「Naked Death」が、もう超トリップしてて最高。いわゆるバックがワンパターンマンネリのリフレインを淡々と繰り広げている中、にサックスが宇宙空間を舞うよう飛び交う。その前にアンナ・ミークの歌声によるハードロックパートもあって、その歌声がベイブ・ルースのジェニー・ハーンのようにエロティックでお転婆娘的。色気があるはしゃぎ声で好きだ。テクニカルな面や楽曲の良さは特筆する事もないが、混沌としたサウンドがひたすら続けられる。しかもこの時代に特有のブルースをベースにしているので楽しい。

 面白いです。間に挟まれた小曲はどこかケイト・ブッシュ的で、一般の形式からは考えにくい展開だけど、アンナ・ミークのお転婆的歌声が良く生きてる。普通に聴いても超B級バンド。

Catapilla - Changes (1972)

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 ジャジーなサウンドでロックを演奏するバンドは技巧派からモノマネまで多数存在しているが、普段あまり聴かないサックスがロックに登場すると一般的に「ジャズロック」と云われる。もっともな話だが、ドラム、ベースと色々と突っ込まれ、ヘンなバンドだが美しき女性ボーカルがメインの不思議な聴きやすさがあるキャタピラ。

 キャタピラ=イモムシ、そしてジョ・アンナ・ミークと言う綺麗なお姉ちゃん。もちろん歌声も綺麗で良いけど、バンド名とのギャップが面白い。1970年クリスマスに結成して1971年にファーストアルバム、翌年にセカンドアルバム「Changes」をリリースして消えたバンド。一言で言うならば混沌としたサウンドの中に光る美しき女性ボーカルとサックスプレイ、そして重めの演奏をするバンド。ひたすらとロックを刻む妙なバンドです。ファーストは正にその通りのサウンドで、アルバム全曲でも4曲しかない。1曲目(16分)と4曲目(24分)と気合いが入ってて、途中に挟み込まれている小曲はポップで小気味の良いロックサウンドとブラスロック。ジャケットは表面がかじりかけの林檎、裏面が芯だけになった林檎。そしてセカンドアルバム「Changes」では林檎をかじった犯人が登場。モロにイモムシです。表面がイモムシの顔面、裏面は予想通り背中です。アナログで初めて見た時はけっこうキモかった。そのセカンドアルバムは更に混沌とした空気感の中にサウンドが広がっているイメージで今回も全4曲は変わらないが、前回とは異なり12分+6分が繰り返されている。しかし前作のような大きなメリハリは付けられていないため、ただ混沌の垂れ流し的アルバムでキャタピラ独特の気怠さが漂う。好みはその日の気分によって変わるだろう。コレ聴いてすっきりと明るくなる人はいないだろう。でも、心地良い。セカンドの方を好む人もいるし、よく名盤と言われるのはセカンド。

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