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70s Canterbury Rock #1

Art Bears - Hopes & Fears (1978)

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 昔は、色々なものに手を出して聴いてた。英国系が好きなのはハードロックから入ってるが、70年代ゴッタ煮ロックはプログレともロックとも言えないようなアルバムに続々と出会って英国なら何でも面白いと気付いて漁りまくった。New Waveには行かなかったけど、その前までは何でもあり。面白くなかったものも後で分かるものもあり、今でも理解できないのもある。Art Bearsは今でも良く理解出来ない部類の一つだけど、何か凄いのは実感する。

 Henry CowとSlapp Happyが合体して分裂する時に別のメンバー構成で分裂しているからバンド名が変わった解釈になるが、色々と確執があったらしい。これだけこだわった音出してれば確執も出てくると思うので納得するが、そこで融合、分裂を繰り返して進化するバンドは珍しくない。1978年に初めてArt Bears名でリリースされたアルバムが「Hopes & Fears」で、見事に一般人を敬遠するサウンドを出している。昔はそんな文章を読むだけで聴かなかったし、聴くには見た時に買うしかなかった。折角買ってこんな音が出て来たらどうするか、とちょっと考える。一応カネ出してるから無碍にはしたくないし、ニッチな知名度と歴史を誇るバンドの続編だから、聴いて分からない自分が未熟とも思う。

 今ではそんなことは全く思わずに音楽は好みと言い切れるから吹っ切れてるが、久々に引っ張り出してきた。恐ろしくユニークなのでこれだけのカリスマ的知名度があると分かる。フリージャズを超えてアバンギャルドだが、しっかり歌は女の子のポップだから聴きやすい。しかし普通ではない音世界。それを普通に近い感覚で聴かせるトコロがプロで、ロックよりも喜劇悲劇な世界で唸らされる。

 ただ、一般には奨められない。プログレ系やアバンギャルド好きな人は良いけど、普通には理解出来ないと思う。何百回も普通に聴ける人もいるだろうが、なかなかそこまで進めない。ただ、ハマっていける音世界ではある。

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