70s UK Progressive Rock #5 【H・I・J・K・L】
Hannibal - Hannibal (1970)
狙った方向性に向けてサウンドを作り上げるのがミュージシャンの仕事。ひらめきや発想、アイディアをはめ込みながらオリジナルな音楽を生み出し、音楽を作り上げていく。更にバンド単位で火花の散るようなテンションの高さから生まれるインプロビゼーションの奇跡を追い求めるパターンもある。そのぶつかり合いから出て来る発想もあるだろう。様々なアプローチが取られながらロックは進化した。70年代はそれが最も顕著だったと思っている。
Hannibalの1970年リリース唯一作品「Hannibal」。見ての通り、ジャケットデザインはキーフで、インパクトを放っている。それだけで目立つがレーベルはB&C、即ちカリスマレーベルで、元々Bakerloo Blues Lineを名乗っていたバンドが発展的に名称変更してHannibalに生まれ変わっている。当然、あのBakerlooからの残党メンバーが発展して出来上がっているので、どこかにブルースエッセンスは残っているハズだが、アルバムを聴くとその名残は聴かれない。ブルースの色を強く出していたクレム・クリムソンはいないし、入れ替わったメンバーはそこまでブルース色にどっぷりでも無いからだろう。色々と来歴や仕掛けもあったようだが、それよりもここでは内容について聴いてみた。
普通にロックです。色々な楽器やアプローチがあるが、単純にある音を組み合わせてブラスエッセンスもはめ込みながら試している。ボーカルのインパクトがかなり強く、好き嫌いがはっきりしそうだが、ジャズ風味なアレンジにこの歌はある意味素晴らしい。まるでどこを見ているか分からないロックサウンドは正にごった煮ロックに相応しいアルバム。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪