見出し画像

Ten Years After

元祖速弾きギタリスト、アルヴィン・リー率いるTen Years AfterはジャズとブルースとR&Rを取り入れた白熱のプレイと卓越したテクニックを誇る。

Ten Years After - Ten Years After (1967)

画像17

 Deccaと言えばStonesやSmall Faces辺りだろうけど、そもそも古くからあるレーベルで元々クラシックばかりをリリースしていたレーベル。それがロック・ポップスの流れもあり、そのヘンやらないとヤバいだろうと始めたポップス部門。それでもクラシックと同じレーベルでは、みたいな抵抗もあったのかレーベル価値を下げたくなかったのか、早い段階でデラムレーベルを立ち上げてロック・ポップス系はそっちからリリースする事にしたようだ。あまり詳しく調べてないけどそんな感じ。そのデラムレーベルでは時代が時代だから実に色々と実験的なアルバムもリリースしててこれがまた面白い。

 今回はそういえばまだ書いてなかったと先日気づいたのでようやく登場させたTen Years Afterの1967年のDeramからリリースされたファーストアルバム「Ten Years After」。アルバムジャケットは時代を反映させてややサイケ風味に仕上げて、中身も時代的なサウンドでデビューしてたと思ってたので実は聞くのが結構後になっていたアルバム。それが聴くと驚くけど、あのTen Years Afterに繋がるサウンドが収められていて、サイケは関係ない。それどころかこの後はこのサウンド以外やってないくらいにすべての青写真が描かれている。

  R&Rからメロウなバラード調の曲、ジャジーなアレンジの微妙な楽曲、超定番ともなるブルースカバーソングの披露、当然ながらのアルヴィン・リーの速弾き炸裂満載、そんなTen Years Afterのすべてが詰め込まれている。しかもじっくり聴いてて思ったのは、この時代にしてはキレイで分離した音と迫力あるサウンドで録られている点で、さすがデラム。ギターの音も生々しくて人間味満載な指使いまで聞き取れるくらいの熱気。こういうのがアルバムで聴けるからライブでは皆が皆称賛する。普通のレコーディングアルバム聴いてても迫力感じられるから。

 ここまで素晴らしいアルバムの認識は無かったファーストアルバム。一回りも二回りもしてまた到達した今、自分の大好きなブルース・ロックの原点に戻ってやはりカッコ良い。ギターサウンドのみならずバンドとの掛け合いやバンド一体になっての迫力、スタジオ盤なのにこれかと一発録り中心のアルバムだろう。

ここから先は

18,731字 / 16画像
この記事のみ ¥ 100

好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪