The Doors
The Doors - The Doors (1967)
向こう側には行き着けなかったけど、極限まで行ったジム・モリスン率いるドアーズのファーストアルバム。バンドの方向性どころかドアーズを確立した感が強い名曲のオンパレード。「The End」のイントロから分かりやすいメロディーに乗せて歌われる美しくも破壊的な歌詞は既にモリスンの作詞家の才能が十分に溢れ出ている。戦慄を覚えたのは「Mother, I want you...」です。今聴いても十分に衝撃的なこの歌詞は60年代末期の全世界に対して相当の衝撃だったと想像できる。一方では「Light My Fire」。とてもキャッチーなドアーズの方向性を決めた楽曲も印象に残り、ライブバージョンでこの曲を聴いた人は時代を反映した曲の長さとジム・モリスンの仕草やアドリブなど新鮮な衝撃もあっただろう。
アルバムのオープニングは正に「向こう側に突き抜けろ」との「Break On Through」で「Alabama Song」、「Back Door Man」と共にブルースを基調としている。ドアーズの本質はアメリカのブルースに落ち着くけど、オリジナリティ溢れるモリスンのカリスマ性は他に類を見ない。エレクトラレコードでポール・ロスチャイルドのプロデュース作品なので、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドのファーストと音質面で酷似している。かなり印象の異なる傾向のバンドなのにサウンドが同じ不思議さ。以降のドアーズはベーシストを迎えて制作されているので純粋な4人編成のドアーズ作品は実は本作のみ。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪