Riverside & Millenium & Lunatic Soul
Riverside - Out of Myself (2004)
これまで色々とポーランド産の陰鬱系なバンドを聴いて、新発見も多かったけど、その上で再度Riversideを聴き直してみたくて真面目に聴いた、スタジオアルバム5枚。その他にEP曲が幾つもあるので大変だが。
2004年9月にリリースされたデビュー・アルバム「Out of Myself」がバンドの本質をすべて物語っている。ここから進んでないとも言えるし、深くなったとも言える。どのアルバム聴いてもRiversideに裏切られる事はなく、ハマる人はどれでもハマれる。それでも、リアルタイムで「Out of Myself」を耳にした方々は本作「Out of Myself」の想い入れもあって、一番の作品と挙げるらしい。昔のバンドのリアルタイムが羨ましいだけでなく、新しいバンドもリアルタイムを羨ましがるとは思わなかった。これからも起こる現象だから情報はチェックしなければ。
「Out of Myself」はデビューアルバムの一曲目冒頭から12分の大作で始まる。試聴して歌が出てくるまで待てない人は絶対買わないと思う。大作「The Same River」がアルバムの目玉だが全て捨て曲なしで、「Loose Heart」のギターソロの入りはPink Floydの「Shine On You Crazy Diamond」で、そんなリスペクトも入りながら完全なるオリジナリティを確立している。このギターのトーンと音が古いレスポールやストラトでは出ない音ながら強烈で、どのアルバムでもグッと来るトーンが鳴る。PV見ても分からないギター使ってるけど、歪み方が上品でエッジ立ってるから引っ掛かるし、ソロ時はレスポールのフロントマイルドトーンと同じ使い方だろうけど、もっと近代的にエロくて良い。そこにメロトロンやアコギが絡み、ベースラインは一筋縄ではいかない。歌うベーシストのクセに妙に図太く重いし、メタルの派生では括れない。
「Out of Myself」はバンドもデビューに当って相当作り込んでいるし、テクニック面でも鍛えただろう。その成果が音に表れてて快作としか言い様がない。叙情性から繊細さ、根底には重いポーランドの空気感、表面にはエッジの立ったダークなメタリックサウンドが乗るもののリズミカルに、ミニマルサウンドのように延々と繰り返されるリフレインがある中、花形のギターが素晴らしいトーンで変拍子を物ともせずに弾きまくる。リズムは変わり、ソロプレイは交互に繰り広げられ、最後まで息つく間もなくハイテンションで攻め立ててくる。「Reality Dream II」は最高で、後に続く楽曲のアコースティックが美しく、その対比的使い方も見事。正にPink Floyd的と言える。当分はポーランドバンド三昧になっている自分が容易に想像付く。
好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪