夢の間に間に

夢をみた。
悲しい夢だった。
覚めたらそこには誰もいないのだから。

それでも嬉しいなんて口にする人がいる。
たとえ夢でも会えたらいいのに。
誰かがメロディーを唱える。

もう一度だけでも会いたいの。
そうやって泣いたあの子は、今はもう別の誰かのモノ。

夢の間に。
そっと朝日を差し込んで。
それはまるで栞のように。

今夜も夢で逢えますように。
誰かの願いは星となって、藍色の空を走って行く。

夢の間に、間に。
今日は雨を差し込んで。
栞代わりに、濡れてしまわぬように。

今夜夢で会えたのなら。
紫陽花色の夜が、晴れた空を迎えるでしょう。

夢をみた。
でも、もう覚えてない。
きっと、すごく。
ああ、でも・・。
やっぱりちょっと、悲しい夢なんだと思う。

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