推し量るもしもの先に手は尽きて何も触れずに詩を吐いた竜
駅長が時を刻んだ始発まで口先だけでさばく振り飛車
挑戦の駒音運ぶ春風にツノを伸ばして飛ぶカタツムリ
敗着の一手を知って折る膝の前に佇むスーツの男
闇の中きみがつくったと金から歌がきこえる不思議に光る
雨降りの検討陣の挙動から打つ手はきっとさよならの銀
長考が駒を迷わせ盤に釘付けにしたもう十日目の夜
明け暮れて芸を磨いた道場に浮いてつかめぬフェリーニの桂
永遠に同じところで間違える一手待つなら明日は名人
カレドニアガラスが描く未来では居玉をもって仕掛けていいの
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