また今度(差し控え法リフレイン)
「それについてのお考えは?」
「それについてはあまり触れて欲しくなかったというのが、正直なところです。べらべらしゃべるばかりが能じゃないでしょう。沈黙も美徳であると代々伝わってきております。あえて慎み深い一面を見せることもこの際は有意義なことと自負するところです。下手に口を開いたり本心をさらけ出そうものなら、言い間違えや舌足らずなところが出てあらぬ誤解を招いてしまう危険もある。口が滑りうっかり本当のこと(本当であるとされていること)を言ってしまい、同じ企みを秘めた身内に多大な迷惑をかけてしまう。そうしたリスクを冒さないことは常に念頭に置くべき事。これを一致団結して命と全財産をかけて実行して参る所存です。繰り返しになりますが、繰り返される責任の半分は当然インタビュアーにも負っていただかねばならぬでしょう。皆さんご存じのように、不都合な真実ならば、当然蓋をさせていただく。1枚、2枚、3枚、4枚、それには細心の注意を払ってうっかり開いたりしないように全力で被せるよう総力をあげてやっている。水面下でも様々に調整をしながら、現在は捜査機関が携わっているとも聞くとこなので、それらを踏まえて、この場でお答えすることについては、誠に勝手ながら本日はお答えを差し控えさせていただく。その上でなお具合がわるくなったら、よくもわるくも慣例に沿って入院の準備にも入らねばならないわけですから、また今度ということでお願いします」
「よくわかりました。それではまた今度。ありがとうございました」
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