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【バターナッツかぼちゃ】と、ひとり暮らし奮闘記。
秋になりました。
秋はなんとなく毎年嫌な事が起こるので、おそるおそる生きています。
買い物に行き、食材を買い、食べて、寝て、働く。そんな生活を粛々と送っているように見せかけて、毎週1つだけ、とある八百屋さんで面白いものを買っていい日というご褒美を設けています。
そのマイルールに則って、先週購入したのがこちら。
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おすすめ品 (vegetable)
栃木の皆さん、こんにちは。これはなんですか?
私、長野県出身で今東京に住んでいるのですが、こんなひょうたんみたいなベジタブルは見たことがありませんでした。私が知らないだけで、有名なのでしょうか?
だって、商品名が「ベジタブル(vegetable)」。
野菜の王様的存在なのでしょうか。
おすすめ品なら名前教えて?
思うところは色々ありました。
そもそも、何故毎週面白いものを1つ買うようになったかというと、うちの近所の八百屋の店主が、見たこともないような野菜や果物、珍しい魚を仕入れるのが趣味だということに、最近気が付いたからです。
小さい八百屋なのですが、入荷しすぎじゃないか?ちゃんと売れているのか?赤字にはなっていないか?とこちらが心配になるくらい、毎日すごく沢山の野菜や果物を仕入れ、店の中だけではおさまりきらない物たちを、外にまで並べているのです。しかも「これはなんだ?」と思うものが沢山。八百屋にいくたびに、Googleレンズでせっせと検索しています。
人生でまだ食べたことの無い“料理“が沢山あるということは分かりきっていましたが、こんなにも身近だと思っていた野菜などの“食材“ですら、まだ食べたことのないものがこんなにもあるんだということを、八百屋さんが教えてくれました。
そして、その味を確かめてみたくなってしまうのです。でも「なんだろう」と思うもの全て買っていては食べ切れないし、お財布事情もあるので、週に一度、八百屋のおっちゃんが入荷する面白いものを1つ買うことに決めました。
さっそく家に持ち帰りました。
【バターナッツカボチャロースト】
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とにかく、でかい。デカすぎる。
まな板や包丁が小さいのではありません。
ベジタブルがデカすぎるのです。
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分断すると、中身はまるでカボチャでした。
むしろカボチャよりも黄色の食べられるところが多い。これは家計の救世主なのでは!?300円でこの量は、コスパ最強野菜だと思いました。
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種をくり抜くのも、すごく簡単にできました。
お料理したがり、おままごと大好きな子供にスプーンを持たせたら、きっと楽しくくり抜いてくれそうです。
オリーブオイルをふんだんにかけて、とりあえずオーブンで焼いてみることにしました。
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オーブンを180℃で予熱している間に、岩塩とコショウを適当に振りかけてみます。
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いざ、40分ほど焼かれていただきました。
30分あたりからお部屋の中に甘いカボチャの香りが立ち込めてきますので、まるこげになっていないか、時々観察します。
ちなみに、この焼かれている間に、さっき繰り抜いたカボチャの種を洗って乾かしてみました。多分カボチャの種って食べられる気がします。
よく売ってるし。
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いざ、焼けました。
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美味しいの極みでした。
ねっとりしているので、これまた秋の味覚の梨を途中で挟みながら食べるのが至極でした。
ナイフを入れると、ひとりでにパックリ割れていくのが「美味しそう」みを更に際立てていました。
ほらほら。
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途中からハチミツをかけて食べてみたら、岩塩のしょっぱさと絡み合い、お口の中でリストが愛の夢第3番を演奏してくれているかのようでした。
ちなみに、本当にかなりの量があるので、これは一人で食べられる代物ではないということに途中から気が付きました。
半分は冷凍することに。
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そうすることで、食べる時に温め直すたびに、ねっとりしたカボチャの甘みがより深まりを増し、ある時はカボチャサラダに、ある時はオープンサンドに様変わりしてくれました。
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とか書いているのですが、実際かなり飽きてもきます。なにせ、ひとり暮らしです。最大の敵です。普段はキャベツを買うだけでも一玉にするか半玉にするかで、なんならカット野菜でもいいかと逡巡するくらいです。
腐らせては困るなぁと思いながらも、このノッポカボチャを半分たいらげるだけでも、相当時間がかかりました。
少食なわけでは決してありません。
私は知る人ぞ知る大食いです。
ベジタブルが想像以上にデカすぎた、それだけでした。
♢♢♢
一週間が経ちました。
ちなみにGoogleレンズでコイツの名前は「バターナッツカボチャ」であることを突き止めました。
そろそろ冷蔵庫に鎮座するバタナツカボチャを片付ける 美味しくいただく必要がありました。
意を決して、再度オーブン180℃で40分。
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一週間冷蔵庫で放置したからでしょうか。最初の片割れよりも、皮のキワキワまでジューシーに焼けた気がします。放置プレイが功を奏したのかもしれません。
なにはともあれ、一週間くらいならラップでグルグルまきにしておけば腐らないということが実証されました。(しかもひとり暮らし用の、野菜室のない冷蔵室でもOKだったので、野菜室に入れておけるのならばもっと保存可能と思われます。)
最後の最後に、どう調理しようかなと考えていたところ、やはりアレしかないなと。
そうです。
みんな大好きカレーです。
これは絶対に美味しいでしょう!ということで、早速レッツクッキング。
【バターナッツカボチャの秋カレー】
①バターナッツカボチャを買う
②半分に割った片割れを大胆に使います
③種をくり抜く
④オーブン180℃で予熱、40分焼く
⑤下の写真みたいにスプーンでゴリゴリくり抜く
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そのくり抜いたカボチャをカレーの具に使うと思うでしょう。
のんのんのん。
そんなことをしたら満腹もいいところです。
無理です。食べきれません。
くり抜いたカボチャはボールに入れておきましょう。
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⑥カレーの具を切る(秋カレーにしたければキノコさえ入れておけばあとはなんでもOK。私なんて夏のなごりでナスやズッキーニ入れました。もっと秋々しくしたければサツマイモとか栗とか入れたらいいのかも。)
⑦カレールーの箱通りに具を炒めたり水を入れたりルーを入れたり、いつも通りの行程で鍋でカレーをつくります。
⑧バターナッツカボチャで作った皿にルーを注ぐ。
以上です。
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バターナッツカボチャってね、皮がかなり薄くて、もうそのほとんどを食べ尽くせるんですよ。カレーを食べつつ、皿も食べるといった感覚。
お分かりいただけるだろうか。
ルーを掬うごとに、毎回カボチャも食べられるのです。
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なので、くり抜いたカボチャを入れようものなら、カボチャすぎてもう本当カボチャでしかなくてカボチャ>>>>>カレーといったかんじになってしまいます。
そこで。
さっきくり抜いたカボチャを使って、カボチャ焼き餅(今適当に考えたレシピ名クソダサい)に挑戦です。
【バターナッツカボチャの焼き餅】
①バターナッツカボチャからくり抜いた部分をひたすら潰す
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②だいぶ潰れて粗熱がとれたら片栗粉を入れる。
多分カボチャ200gに対して片栗粉大さじ1くらい入れておけばいいんじゃないかと思います。私は280gくらい摘出できたので、大さじ1杯半ほどの片栗粉を適当に入れました。
(片栗粉ってなんかギシギシしてるじゃないですか。熱々の段階で片栗粉を投入してしまうと、片栗粉に熱が移ってベタベタし始めると思うんですよ。そうすると焼いてるときにフライ返しとかにくっついてどんどん形が崩れていく。そんな気がするんですよ、多分ね。)
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だいぶ冷めた段階で片栗粉加えて更にスプーンで潰していくと、このようにかなり気持ち良くなめらかになります。
③まるめます。
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※ちなみにこんなに食べられない時はこの段階で一個ずつラップをして冷凍する。冷凍保存した物を焼く時は、解凍せずにそのまま火にかけてOKです。中火で蓋をして焼くと中まで火が通ります。(実証済み)
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④焼く
強火で、多めの油で、揚げ餅みたいにすると最高です。
⑥タレに絡める
醤油と砂糖とみりんと水をいいかんじに混ぜます。
私自身も感覚でしかないのですが『醤油:砂糖:みりん:水=1:1:1:2』くらいです。
ある程度両面が焼けたら、タレを回しかけて味付けをし、最後に火を止めて水溶き片栗粉をぐるっと回しかけます。再び火にかけて、いいかんじになったら完成です。
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モチモチ。(余ったタレをふんだんにかけてもいいのですが、カボチャが甘いので私はこのまま食べました。甘党の人はタレだくでどうぞ。)
最後に、くり抜いたカボチャの種でおつまみを作ります。
【バターナッツカボチャの種ローストしてみた】
①カボチャの種を洗って乾かす
②カボチャの種にオリーブオイルをかける。
表面がテカテカする程度に。
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③鉄板に広げる
フォークを使うと広げやすかったです。
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④オーブン180℃で予熱。20分くらい焼いたら様子を見て、裏返したり配置換えしたりして均等にならし、ひとつつまみ食い。カリッと感が足りなかったら5分ほど追加焼き。
⑤岩塩をふりかけて召し上がれ。
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【編集後記 -私が料理をするようになった理由-】
今回、カレーを作りながら思い返すことがありました。
実はこれまで、料理が特別好きってわけではなかったんです。
共働きの両親や部活動に勤しむ姉よりも、小学生の私が毎日圧倒的に帰宅が早かった。だから、よくある家庭料理なら作れるようになっていきました。それこそ、一番多かったのはカレーです。
でも、カレーってルーが売っているからこそ簡単な家庭料理という地位を確立しているわけであって、ルーにこだわりだしたら家庭料理の域を簡単に超えていきます。
「探求心がある」と言えば聞こえはいいですが、気になりだすとやってみたくなる私は、一人暮らしを始めてからバーモンドカレーやこくまろカレーなどといったルーを買わず、ルーの生成を色々と試してきました。
ある時は、無水トマトカレー。(ナンまで作るのは暇すぎで草)
無水カレーとナンをつくった。
— meme (@meme_note_) July 27, 2020
野菜(おもにトマト)から出る汁だけでこんなにもスープがとれるなら、野菜ってもう水と同値だ。 pic.twitter.com/U2B96hFlk3
ある時は、スパイスの調合にこだわり。
前に書いたお野菜と、ターメリック、クミン、コリアンダー、チリペッパー、岩塩、砂糖、牛乳、ナチュラルチーズ、チョコレート、油、水。
— meme (@meme_note_) September 6, 2020
味は星3つくらい。コクとか深みとか一切無いし、それをどうやって出すかも分からないけど、作っていて、とても楽しかった。#カレー #晩ごはん #手作りカレー pic.twitter.com/6Ty02PQ7FU
ある時は、圧力鍋でスペアリブを。
圧力鍋が届いたので早速使ってみた。
— meme (@meme_note_) September 27, 2020
スペアリブカレー。美味しすぎた。
8分でホロホロ🍖たまらん。#晩ごはん #カレー pic.twitter.com/SjFtVt1TfD
ある時は、狂ったように神保町カレーに焦がれたり。
ルーからシーチキンカレーつくったよ。
— meme (@meme_note_) May 15, 2021
あんなに宣言したのに神保町には行かなかった…そういうこともある。 https://t.co/7k0n3POsRX pic.twitter.com/4u8KjZhKaP
家族につくる料理は、王道の、失敗しないものばかりでした。
でも、一人暮らしをして「食べるのは自分だけ」という環境で、色々な料理の冒険をしました。これはなんだろうという食材を食べてみたり、この調味料とこの調味料を合わせたらおいしいのだろうかと試したり。
そんなことをしているからこそ、「おいしい!」と思える料理ができるときと「まっっず!!」「んー、いまいち!」と顔をしかめる料理ができるときが、半々くらいありました。
たくさん失敗もしました。
鍋を焦がしたこともありました。
「めんつゆ」と「マスタード」は合わないということを知りました。
「マヨネーズ」と「しょうゆ」は最強ということを知りました。
にんにくだとかしょうがだとか、そういうものを、たとえチューブでも入れておくと料理の味に奥行きがでるのだということを知りました。
一人暮らしをして、自分の感覚で色々と試してみることで、「この食材はこう調理すると美味しいかもしれない」という予測が当たるようになっていきました。
ネットをみればたくさんのレシピが溢れかえる情報社会ですが、それでも、自分しか食べないと分かっているからこそ思い切ってできた沢山の失敗が、料理の楽しさを教えてくれました。
ありがとう、ひとり暮らし。
食欲の秋に、乾杯。
もうしばらくカボチャはいいやというくらいに堪能できたので、次にドデカバターナッツカボチャを買うときは、家庭をもてたときでいいです。
なお、予定はない。
P.S.バターナッツカボチャの生産者のみなさん
美味しい秋をありがとうございました。
読んでいただいた皆さんに、素敵な秋が訪れますように。
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