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支援者自身がご機嫌でいるために

 このnoteを見て頂いている方の中には、自分自身が対人支援を職場や専門職として行っておられる方がおられると思います。

 対人支援って、どうしても何かがすり減るような瞬間も多いですので、自分自身がご機嫌であることはとても大切だと思います。そんなヒントを「自分力を上げる(山田泉)」を参考にしつつ、若干のアレンジを加えて拝借をしていきます。


① 自分が調子の良い状態を作る

 人はそれぞれ、自分が調子の出る状態のパターンを持っています。例えば、お気に入りの音楽、アロマ、置物・アクセサリー、服の手触りやクッションの座り心地など、「これとこれが揃っていたら、自分としては心地よい」という状況をしっかりと把握します。

 NLPではVAKモデルで感覚を表しますので、以下に事例をお示しします。あなたの好みに近いものはあるでしょうか。リスト以外にもあるかもしれません。

Visual(視覚型)の要素:
・整理された文具や書類ホルダー(視覚的な秩序)
・好きな写真やアート作品
・観葉植物
・柔らかい間接照明やデスクライト
・文具類の色調

Auditory(聴覚型)の要素:
・高品質なスピーカーやヘッドホン
・ノイズキャンセリング機能付きイヤフォン
・窓からの自然音(小鳥のさえずりなど)
・静音設計のキーボードやマウス
・タイマーのアラーム音

Kinesthetic(体感覚型)の要素:
・エルゴノミクスチェア
・リストレストやマウスパッド
・ストレス解消グッズ(握り玉や指先で回せるもの)
・座り心地の良いクッション
・部屋の温度やお気に入りのアロマの香り

 自分が調子の良い状態を把握したら、それをどこかにメモしておきます。自分の機嫌が悪い時は、そのリストを見て、要素が揃っていないものがあれば補充をしてみます。

② いい思い出と失敗経験の上手な活用

 何か、これまでの人生の中で、「あの瞬間は最高だった」という思い出を一つ取り上げます。その思い出について、以下の質問に沿って明確にイメージを作り上げていきます。あたかも、その場にいるような活き活き感が出てくれば、なお良いですね。

良い思い出のイメージの鮮明化:
・あなたの人生の中で最高の瞬間を写真や映像にするとすれば?
・あなたの周囲にはどんな人がいて、どんな表情ですか?
・周りにはどんな風景や景色が見えますか?
・どんな音や声、または音楽が聞こえますか?
・あなた自身は、周りにどんな声をかけていますか?
・聞こえてくる音は、どれくらいの近さや大きさですか?
・その場所の暑さや寒さはどうですか?
・自分の心拍数や呼吸はどんな感じですか?
・何か匂いや味覚を感じますか?

 このイメージ作りを定期的に行うことで、楽しかった瞬間をぱっと思い出すことができますので、ちょっとしたことで気分が落ち込んだときに気分を戻しやすくなります。

 逆に失敗経験ですが、失敗したこと自体ではなく、その失敗の記憶に対して繰り返しアクセスしていることが、「今の」自分を嫌な気分にさせていることが多いと思います。ですので、その気分を白黒にしたり、セピア色にしたり、自分から遠いところに置いてみたり、明るさを下げてみたりしてみます。

 そうすると、失敗状況を客観視して考えることができますので、やや冷静に当時の状況を振り返ることができます。また、失敗経験の鮮明さを下げてぼやかすことで、「今の」自分に悪影響を及ぼすことを避けることもできます。

③ 自分にとっての成功パターンを掴む

 どういう行動パターンを取れば、日常生活や仕事がうまく行ったかのパターンを掴みます。

  • 事前にこういった形で資料整理をして目を通して置いたら業務がスムーズ

  • 冒頭にこう切り出したら打ち合わせが上手くいく

  • 前夜にゆっくりお風呂に入ったら翌日は気持ちよく一日を過ごせる

 何かうまくいく際のルーチンを見つけておけば、それを「きっかけ」にすることができます。プロのスポーツ選手が競技前に決まったしぐさをする(ユニフォームの袖を触るなど)のは、こういった成功パターンと結び付けてのルーチンを実施するための場合が多いそうです。

 もしくは、自分が尊敬している人、自分がやろうとしている事を上手く進められている人の行動パターンを観察し、取り入れやすいところを取り入れるのも良い手段になり得ます。

まとめ

 私自身が心がざわざわして、「ご機嫌を保つには・・・」と思うことがよくありますので、NLPで参考になる手法を整理するために記事を書きました。

 なかなか、ご機嫌でないときに人の相談に乗るのはどうかと思いますし、ちょっとした落ち込みくらいであれば、あれこれ理屈をこねてやるよりは(例えば認知行動的なアプローチを使わずに)さっさと処理したいところだと思います。

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