「人を動かす50の物語(M・パーキン)」をご紹介します。この本は、短い物語を通じて、目標設定・行動計画・実行のための動機付けのヒントを得られる書籍になります。この記事では、その中から3つの物語をご紹介しながら、考察を深めていきます。
「無知な泥棒」自分の価値を目標に反映する
以下の無知な泥棒という小話は、目標を設定するにあたり、自分自身の価値提供を客観的にとらえる重要さを説いています。
窃盗という犯罪行為に絡めたエピソードですので、どうかとも思うのですが(笑)。この話からは、目標を設定するにあたって、自分の持っているリソースの価値をどう見積もるかがポイントになることを示しています。
すなわち、自分の有するものに高い価値を見出していないと、その対価としての成果が正当に評価できませんので、高い目標を設定するのは難しくなります。自己肯定感の重要性は、こういったところにも表れてきます。
「鎖に繋がれた象」思い込みが足を引っ張る
次の小話は、自分が意識する事すら忘れたブレーキに気づかせてくれます。
この話から、二つの教訓を考えてみました。①日常の取るに足らない制限のせいで、自分は挑戦ができない、自由に行動できないと思い込んでいないか。②既に成長した(成人した)自分であっても、過去の出来事にとらわれてしまい、上手く行かないのをその過去のせいにしていないか。
「成長すればするほど、力をつければつけるほど、自分は自由に、伸び伸びとふるまえる」そう考えてしまってはいないでしょうか。実際には、その逆になっていることにも気づかずに。
「want toがhave toになったとき」
最後に紹介する小話は、人の行動の動機について、ある側面を言い当てている気がします。
こういったことがありますので、私は自分の生活習慣を人に語る際に、ためらうことがあります。宣言をすることで、自分の中の「want to」が義務感を帯びた「have to」に変わり、せっかくの習慣が途絶えたり減速することを恐れるため、です。
「want to」が「have to」になってしまうスピードは異常に早いのですが、その逆は、とても緩慢に感じます。その緩慢さも織り込みながらコツコツと積み上げていくことで、習慣が手に入るのだと思います。