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マシュマロに理性で勝つ

 悪しき習慣から身を守りたいときに、覚えておきたいエピソードです。マシュマロの誘惑に、子供たちがどう打ち勝ったのかを見ていきましょう。最後まで読んで頂くと、実際に悪習慣とお別れできるかもしれません。


ウオルター・ミシェルのマシュマロテスト

 これは、スタンフォード大学の付属保育園で、4-5歳の子供を対象に行われたテストです。マシュマロなどのお菓子を前に、園児に次の選択肢から選ばせました。

1. 目の前のマシュマロ1個をすぐにもらえる
2. 最長20分間を1人で待てると、マシュマロを2個もらえる

 待っている間、園児は、一人で部屋に残され、席を立つことを許されず、マシュマロの前で待ち続ける必要があります。テストの結果、およそ3分の2の園児は待ちきれずに、マシュマロを食べてしまいました。(「ぼくたちは習慣でできている(佐々木典士)より」)

どんな園児がマシュマロを待てたのか

 マシュマロをずっと見続けていた園児は、残念ながら誘惑に負けてしまいました。一方で、待てた園児は、以下のような条件下の場合に、誘惑に打ち勝つ割合が高かったのです。

1. マシュマロを待っている間、何か楽しいことを考えていた
2. 待っている間、歌を歌ったり、ピアノを弾く真似をしていた
3. マシュマロをトレイで隠した
4. マシュマロそのものではなく、プロジェクターに映し出されたマシュマロを見ていた
5. マシュマロを本物でないと思い込んだ

「ぼくたちは習慣でできている(佐々木典士)より」

 要するに、「リアルなマシュマロ」が目の前にあり、そこに意識が向いてしまう機会をできるだけ減らすことで、誘惑に打ち勝つことができた、ということになります。

脳の働きから理解をする

 マシュマロを目の前にした時、脳の二つの部位が自分に語り掛けてきます。

 脳の大脳辺縁系(本能に従って動く部分)は、「今すぐ、この甘くて美味しいマシュマロを食べてしまおう」とささやいてきます。

 その一方で、大脳皮質(先々まで見通したり、自制心を働かせる部分)は、「この欲求にあと〇〇分だけ我慢できれば、マシュマロが2個手に入る」と説得しようとします。

 この二つが競い合った結果、大脳辺縁系を大脳皮質がどう抑え込めるかが、マシュマロの誘惑に打ち勝つ秘訣になります。

自分にとってのマシュマロとは

 さて、自分にとってのマシュマロとは何かを考えてみましょう。

  • それは、ついつい手が伸びてしまうスナック菓子かもしれない(まさにマシュマロの場合もあるかも)。

  • 人によってはたばこや、お酒なのかもしれませんね。

  • ついつい、時間があると触ってしまうスマホやゲーム?

  • ネットショッピングのカートボタンを、つい押してしまっている?

 自分にとって、無意識に日常の生活習慣に組み込まれてしまっているものを探してみましょう。「自分の生活にはマシュマロなんてない」という人も、健康、お金、時間・・・こういった貴重な資源を無駄にしているものがないか、探してみると、見つかるかもしれません。

マシュマロに打ち勝つ決断

 見つけたマシュマロをマスキングして、理性で打ち勝ってみませんか。一番簡単な方法は、マシュマロとお別れをすることです!

 この記事を、ここまで辛抱強く読んだあなたであれば、「今、ココ!」で決断ができるはずです。実は、この瞬間が、マシュマロに最も勝てる確率が高い瞬間です。

 例えば、スナック菓子、お酒、たばこ。こういったものは、今、この記事を読んでいる瞬間にゴミ箱に捨てたり、流しに流してしまう。今日一日くらい、それくらいの派手なことをしても叱られません。この一瞬の決断で、明日以降、充実した時間を過ごすことができるはずです。

 スマホのゲームアプリ、今、この瞬間にアンインストールしませんか。アンインストールのボタンを押すとき、「ここまで積み上げてきた記録がなくなる」という事実に、一瞬、手が止まるかもしれません。でも、ここで「マシュマロ」に勝っておかないと、次の対決の機会は半年後、一年後・・・かもしれない。

 ネットショッピングのアプリも削除してしまいましょう。サイトからクレジットカードの情報も消してしまいましょうか。これで、あなたにとって、ネットショッピングは「面倒」なものになり、マシュマロのイメージからはだいぶ遠ざかりました。

まとめ&参考記事

 ここまで読んだ方の中には、「マシュマロに勝てた!」という方もおられるかもしれません。

 もし、まだ勝てていない・・・という方も、他のnoterさんのマシュマロテストについての記事を読みながら、意欲が高まったら、この記事にも戻ってきていただけると嬉しいです。私自身も、この「マシュマロとお別れする」方法で悪習慣の幾つかを捨てることができましたので。


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