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【米国株】High Tide Inc (HITI)が Purecan GmbH を買収してドイツ医療用大麻市場に進出

2025年1月13日 の HITI プレスリリース内容を前回決算説明会の内容に沿ってAIの力も借りて纏めました。

尚、本記事は、特定の銘柄や金融商品の購入や売却等を推奨するものではありません。投資に関する最終的な意思決定は、読者ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。


1.プレスリリース内容

買収概要

  • High Tideは、ドイツの医療用大麻市場に参入するため、Purecan GmbHの株式51%を約480万ユーロで取得する契約を締結。取引には、将来的に残りの株式を取得するオプションも含まれる。

買収の目的と意義

  • ドイツ市場への戦略的進出: ドイツの医療用大麻市場は、2024年4月に消費者用大麻法が可決されて以降、急成長中。2023年第3四半期には販売が前年同期比30%増加し、2028年には市場規模が10億ユーロに達する見込み。

  • カナダで培ったノウハウの活用: High Tideのカナダでの累計15億ドルを超える売上経験とライセンス生産者とのネットワークを活用し、ドイツ市場でのシェア拡大を目指す。

  • Purecanの強み: 医療用大麻の輸入ライセンス、物流インフラ、テレメディスン(遠隔医療)プラットフォーム開発などの資産を活用。

財務状況

  • Purecanは2024年12月の月間売上高約1,500万ユーロ、粗利益率40%、EBITDA(利払い・税金・償却前利益)29%を記録。

  • 買収評価額は9.5百万ユーロで、年間調整後EBITDAの3倍に相当。

期待される効果

  • 高収益性の事業ユニットの構築による利益率の向上。

  • ヨーロッパ他国への市場拡大の基盤形成。

  • High Tideのカナダでの成功モデルの国際市場への適用。

取引詳細

  • 支払い内訳:

    • 50%(240万ユーロ)はHigh Tide株式。

    • 25%(120万ユーロ)は現金。

    • 25%(120万ユーロ)は年利7%の約束手形。

  • 残り株式取得のオプション(Call Option)と売却オプション(Put Option)は、調整後EBITDAの3倍の評価額で行使可能。

今後の展望

  • この買収により、High Tideはドイツでの市場参入を迅速に進めるとともに、成長著しい医療用大麻市場でのシェア拡大を目指す。さらに、Purecanとの文化的・運営的な一致を活用し、持続可能な利益と市場拡大を図る計画。

2.前回決算説明会での内容との整合性

ここでは24年9月17日に実施された前回決算説明会内容との整合性を確認します。(前回議事録は以下の通り和訳を作成していますのでご参照ください。)

決算説明会でのドイツ市場への言及

  • ドイツ市場の魅力: 2024年4月の法改正(消費者用大麻法)以降、ドイツの医療用大麻市場は急成長しており、High Tideはこの市場への進出を積極的に模索していると述べていました。

  • 計画内容: 同社はドイツでの店舗開設やライセンス取得の可能性を慎重に監視しており、2025年中の市場参入を視野に入れていると示唆。

  • 戦略的な位置付け: ドイツ市場はカナダ市場での成功モデルを適用できる新たな成長機会として評価されています。

今回の買収と戦略的整合性

  • 具体的進展: Purecan GmbHの株式51%を取得することで、医療用大麻の輸入ライセンス、物流インフラ、テレメディスンの開発プロジェクトなど、ドイツ市場での重要な基盤を獲得しました。

  • 買収の効果:

    • 同社のカナダで培った調達ノウハウを活用し、ドイツ市場でのシェア拡大を目指す。

    • ドイツ市場での基盤を活用して、ヨーロッパ他国への展開も視野に。

    • 買収により、医療用大麻市場での収益性の高い事業ユニットを迅速に構築可能。

決算説明会と買収結果の関連性

  • 戦略の具体化: Q3で言及されたドイツ市場参入の意図が、今回の買収によって具体的な形となりました。

  • 成長戦略の一環: 決算説明会で強調された市場シェア拡大と収益性の向上に向けた取り組みが、ドイツ市場への参入を通じて一層強化されています。

3.直近のアナリストレポートの要約

Maria Fernanda 氏のレポートの日本語要約です。本文はこちらです。

企業概要

High Tide Inc. (HITI)は2009年に創業され、2018年のカナダでの大麻合法化をきっかけに、アクセサリー販売から大麻販売へとスムーズに移行しました。同社は、強力な顧客基盤を活用しながら、ユニークな「ディスカウントクラブモデル」を採用し、業界内で注目を集める存在となっています。

ビジネスモデルと市場での位置付け

  • ディスカウントクラブモデル: High Tideは「Canna Cabana」というブランド名で運営する189店舗を通じて、無料および有料(年間35ドル)のメンバーシッププログラムを提供。このモデルは、CostcoやSam’s Clubといった従来型小売業に着想を得たもので、大麻製品に特化した独自の価値を創出しています。有料会員数は2024年第3四半期までに前年比200%増加し、総会員数は150万人を突破しました。この仕組みにより、価格競争力と顧客のロイヤルティを両立させています。

  • 収益性と競争優位性: 同社は、競争の激しい大麻業界において、キャッシュフローがプラスである数少ない企業の1つであり、2024年第3四半期には初めて純利益を計上しました。ディスカウントモデルによる安定した売上に加え、効率的な店舗運営が同社の強みとなっています。

国際展開と成長の可能性

  • グローバル戦略: High Tideは、アメリカ、EU、イギリスへの国際展開を計画しており、特に2025年以降のドイツ市場進出に注目しています。国内市場が成熟する中で、国際市場への拡大は同社の長期的な成長ドライバーとなるでしょう。

  • 市場動向: 大麻産業全体は、社会的な受容の進展とともに拡大が見込まれ、年率10%程度の成長が予測されています。特にカナダ国内では、合法市場での売上が減少する一方で、High Tideはわずかながら成長を維持し、市場シェアを拡大しています。

財務および評価

  • 収益性の改善: 同社のEBITDAマージンは2024年第3四半期に9.4%を達成し、将来的にはフリーキャッシュフロー率を6%まで引き上げることを目指しています。

  • 株価の成長予測: 2028年には、1株あたり7.5ドルに達する可能性があり、現在の株価から年率19.5%のリターンが期待されています。この予測は、慎重な前提に基づくものであり、適切なリスクとリターンのバランスを提供しています。

課題とリスク

  • 規制と違法市場: 規制遵守に伴うコストや、違法市場の存在が収益性を圧迫する可能性があります。また、主要国での合法化の遅れは、国際展開のスピードを阻害するリスクを孕んでいます。

結論

High Tideは、大麻産業の枠を超えた小売業モデルを確立しつつあり、長期的な成長性と独自性が投資家にとって魅力的です。課題は存在するものの、競争優位性と堅実な財務基盤に支えられた同社は、今後の市場拡大で有望な成長機会を提供すると評価できます。

4.米国の大麻業界

米国の大麻業界の現状

これは The Economist 誌の直近の記事がコンパクトに纏めていた。

2012年の合法化開始以降、2024年には市場規模が約290億ドルに達したが、ジョー・バイデン大統領の非犯罪化の公約は実現せず、州レベルの改革も停滞。非合法市場は合法市場の2倍以上の規模で、規制や税制の影響を受けないため競争力が高く、ヘンプ由来製品との競合も加わり、合法市場の価格は過去最低水準に落ち込んだ。2024年の売上成長率は1%未満にとどまり、関連企業の株価は2021年以降90%以上下落している。トランプ次期大統領はマリファナ改革を支持する姿勢を示しているが、連邦レベルでの改革実現には懐疑的な見方が多い。一方で、税制改革が業界の収益性を改善する可能性がある。現在の税控除制限が緩和されれば、合法市場にとって重要な転機となるかもしれない。2025年3月に連邦薬物取締局(DEA)が結論を出す予定であり、投資家の期待が一部回復する可能性がある。

DEAによるスケジュールIからの再分類

アメリカ合衆国では、連邦規制物質法(Controlled Substances Act, CSA)に基づき、薬物は乱用の可能性や医療用途の有無に応じてスケジュールIからVまでの5段階に分類されています。現在、大麻(マリファナ)は最も厳しい規制であるスケジュールIに分類されており、これはヘロインやLSDと同等の扱いです。しかし、近年の研究や社会的認識の変化を受け、米国保健福祉省(HHS)は2023年8月29日付で、大麻をスケジュールIIIに再分類するよう米国麻薬取締局(DEA)に勧告しました。

スケジュールIIIへの再分類は、大麻の乱用可能性がスケジュールIやIIの薬物より低く、医療用途が認められることを意味します。これにより、研究者は大麻に関する研究をより容易に行えるようになり、医療従事者による治療への活用も促進されるでしょう。さらに、現在の厳格な税制上の制約が緩和され、大麻産業全体の経済的負担が軽減される可能性があります。

しかし、この再分類には課題も存在します。DEAは2025年1月21日から公聴会を予定していたものの延期となったようです。また、再分類に対する反対意見や法的な課題も予想され、実際の施行までには時間がかかる可能性があります。さらに、国際条約との整合性や各州の法律との調整など、複雑な問題も残されています。

例の The Economist 誌の記事は米国の大麻産業が厳しい規制や税制、競争の激化により困難な状況に直面していると報じています。スケジュールIIIへの再分類は、これらの課題を一部緩和し、産業の活性化につながる可能性がありますが、同時に新たな競争や市場の再編成を引き起こす可能性も指摘されているため、今後も注視が必要です。

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ネイト
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