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エッセイ

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#アフロキューバ

口に骨を咥(くわ)えた犬

口に骨を咥(くわ)えた犬

                         
 
「口に骨を咥(くわ)えた犬は、吠えることができない」
 
これは、僕がおこなうキューバのアフロ信仰の占いの、とある運勢に出てくることわざの一つである。
 
口に骨を咥えた犬といえば、イソップの寓話があまりに有名だ。

犬が橋の上から川を覗きこむと、川面に骨を咥えたもう1匹の犬の姿が映っていた。

それで、その犬の骨まで欲しくなり、ワンと吠える

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口が何かを喋らないかぎり                                

口が何かを喋らないかぎり                                

  

「口が何かを喋らないかぎり、言葉は人を傷つけない」

これは、キューバのイファ占いの、とある運勢に出てくる格言である。

確かに黙っていれば、誰も傷つけることもない。

でも、人は黙っていられないから、つい余計なことを言ったりして、問題が起こる。

衝突が起こる。戦争が起こる。

まさに、「口は災いの元」だ。

あるとき、僕は就活で苦戦していた(そう本人が語った)4年生ゼミのN君をある会社

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「倒れている樹は」(2)

「倒れている樹は」(2)

前回、「倒れている木は道端の占い師」という、アフロキューバ宗教の格言について触れたが、今回はその続きである。

1917年にジョゼフ・ロックという生物学者によってインドネシアのモロッカ諸島からカウアイ島に植えられたアルビジアという木が、嵐や風などで簡単に倒れて、ハワイ諸島の民家や自治体に甚大な被害をもらしている。

前回はそういう話をした。確かに、人間から見ると、厄介な木である。

だが、物事を人

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