描く書く然々vol.3 [冬時間のパリ]
[冬時間のパリ]ー原題:Doubles Vies (2018)
リアルタイムにミニシアターで鑑賞した作品。
舞台は冬のパリ。
クラシックな背景の中、
女優・編集者、政治家秘書・作家の男女が
デジタルとアナログの世界について語り合うリビングでのシーンはなんとも痛快。
ツイッターは俳句だとか、知己に富んだコメントのオンパレードは、
是非ともワイン片手にもう一度見たくなる中毒性が感じられる。
オフィスやカフェ、バールで語りあうキャストの洗練されたファッションにも注目。
冬が終わり、海辺の別荘で語り合うカップル達の様子には、大人のたしなみの象徴のようで、憧れを感じる。
穏やかに、世界を眺め、漂うように生きる。
この作品を見る中で、
デジタルに流されながら私はいつの間にか、
自分で考えることに対して怠惰になっていたのだと実感した。
”変わらないために変わる”と発した若き編集者の言葉には、高温度の理性と野望を感じる。
革命家のような熱を持って、自身も歩まねばなるまい、そう思われた名作だった。
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今回は短め。
上映はもう終了していますので、
DVD化された際、是非。
影響されて早速記事をひたすらこね続けています。
変わりゆく世界の中で、
どう生きるか。
漂いながらも、自分の芯は磨き続けていたいなあ。