[勝手に想像💭]天女の羽衣の天女の嘆き
天女は飛び立った。
羽衣をみつけてしまった以上は
天に帰らなければならない。
男は地上を走り追いかけて来る。
泣きながら名を呼ぶ声がうるさい。
天女もまた泣いていた。
怒っていた。悲しくて。
「だったらなんで羽衣を燃してしまわなかったのか?」
「なんでとっておいたのよ!」
「あの幸せな毎日は偽りだったのか?!」
天女は知っていた。
自分は
この哀しみも、幸せな日々も
天帝のもとに帰れば
きれいに忘れてしまう
運命にある。
天女は
苦しみを感じながらも
幸せだった想い出を
愛おしむように
空を駆けめぐり
なるべく遠回りして
天へ戻った
その夜
男の住む村では
夜空に
虹色の龍が見えたと騒ぎになった。
今でいうところのオーロラである。
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出産の里帰りの時に
嫁に米を持たす風習があるそうだ。
はじめに聞いたときは
「世話にはなるが、その嫁はこちらの家のものである。」
というメッセージがあるようで
なんだか複雑な気持ちになった。
ところが考えようによっては
「必ず帰っておいで。お米が切れたらそれを言い訳にするといいよ。」
というようにもとれる。
言い訳というのはしょうもないものであっても重要である。
「羽衣をなくしちゃった。」というのが、天女が地上で男と夫婦になって暮らせる唯一の言い訳だったのだ。
男に対して私は思う。
「詰めが甘い」
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